皐月賞へ向けての最終便スプリングS
皐月賞トライアル・第65回スプリングステークスが先週、中山競馬場で行われました。
まず注目していたのが、昨年の新潟2歳Sを制し、前走ホープフルSでも2着に好走したロードクエストです。
レースは後方2番手から進めて折り合いも悪くなく、初騎乗となる池添騎手との相性も良さそうで全く問題のない内容でしたが、勝負どころから仕掛けだし反応良く伸びてきたものの前の馬と脚いろが同じになってしまい届かず3着に終わりました。
新潟2歳Sや前走のような、追ってからのインパクトある伸び脚が今回はあまり感じられず、ペースやポジションなど様々な要素が絡むとはいえ基本的には距離が少し長いかもしれません。
ただやはり地力がある馬なので、こうして重賞で上位に入る安定した走りができるのは強みですね。
次走は皐月賞へ向かい、その後は皐月賞の結果次第でしょうが、ダービーよりもNHKマイルCの方が勝ち負けになると思います。
優勝した4番人気マウントロブソンは、重賞ウィナーのロードクエストとは違い賞金の面で余裕がないため今回のスプリングSは絶対に皐月賞優先出走権が欲しいところ。
この馬については、他のメディアでも書いたことがありますが、実はデビュー当時から注目していて、もちろん今回も注目していました。
ローカルの小倉500万下を勝ったばかりですが今回の出走メンバーに入っても十分に通用すると考えていました。
デビュー戦とその次のレースで2着が続いたことが陣営にとってはおそらく予想外というほどの馬なので、年末に未勝利を脱出したあとは慎重にレースを選んだのでしょう、前走の小倉500万下特別レースを“確実に勝ちにいった”あとの今回のトライアルも3着以内が絶対条件と傍から見れば厳しいことのように感じますが、陣営には勝算があったのだと思います。
馬にかける期待と自信が伝わってくるような出来でした。
直線に向いた時には届かないと思いましたが追ってからの伸びが抜群で、クビ差捕らえたところがゴール。
ディープインパクト産駒らしい終いのしっかりした脚はこの先も大きな武器となるでしょう。
そしてスプリングSで得られる優先出走権、あと1つは2着に入った5番人気マイネルハニーが手にしました。
好スタートからハナを奪うと、速くもなく遅くもない平均的なラップを刻む、鞍上の柴田大騎手が良い逃げをしましたね。
直線に向くと後続を待たずに自ら動いて仕掛けだし、後ろの馬群をスッと引き離していきました。
この判断が大正解。逃げ馬というのは、直線に向いたらゴール板目指してひたすら逃げ込むことを第一に考えなければなりません。
他馬の動きなどには目もくれず、自分の馬の能力を最大限に発揮させようとした柴田大騎手がベテランらしい好判断・好騎乗で魅せてくれました。
もう1頭注目していた2番人気ミッキーロケットは、これも非凡な能力を持つ馬なのですが、今回はゲート内でチャカチャカしていたせいかスタートで出遅れて最後方からのレースになってしまいました。
普通はこの位置からでは厳しいですね。
競馬はスタートひとつでポジションや流れなど全てが変わり、明暗を分けます。
今回はレースに参加できていなかったこと、メンバー中最速の上がりで結果的には5着にきていることなど、負けたとはいえ悲観することはなく、あらためて期待したい馬です。
これで全トライアルが終了し、それぞれがクラシックの舞台に挑みます。
3強ムードの皐月賞で割って入れそうな馬が出てくるのか、それともやはり上位人気馬の優位は揺るがないのか、これからじっくりと見定めていきたいと思います。
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