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2016年1月28日 (木)

武豊騎手の騎乗なくして語れないAJCC

記録的な寒波の到来で各地が混乱に見舞われた先週末。

記憶に新しいところでは2014年2月にJRA東京競馬が大雪により2週にわたる3開催日連続の中止となり、今回も寒波の影響として先週24日日曜日に予定されていた佐賀競馬が中止になりました。

競馬開催においては台風時の強風のほか積雪が大きく影響するので今回も心配していましたが、幸い雪による輸送トラブルなどもなく3場全てで滞りなくレースが実施されました。


中山競馬場のメインは芝2200mのGⅡレース・第57回アメリカジョッキークラブカップ。

2番人気ディサイファが2着に1馬身1/4差をつけ快勝し、4つ目となる重賞勝利を挙げました。

昨年のAJCCでは5着に敗れたものの、その後1年間を通じての活躍はご存知の通り、この明け7歳になる良血馬は好調を維持しているようです。

近年、競走馬は早めの活躍が望まれる傾向にあり、2歳の早い時期からレースに出走し始めます。ひと昔前には11月の秋の福島開催まで組まれていた3歳未勝利戦も現在は9月で終了してしまうため、早く結果を出さなければ勝てない馬はもちろん、そこそこ走ったとしても以後パッとしない成績が続く場合、そう現役生活を続けていられません。

馬1頭にかかる経費は大変なものなので、以前に比べて7歳以上の競走馬はかなり減ってきているのでは。

ただ、ディサイファの場合は上の例とは事情が違い、7歳の今まで現役を続けられたのはオーナーや厩舎関係者が馬の素質を信じ抜いていたからでしょう。

実際、デビューした3歳~4歳にかけて惜しい競馬が続き500万下を脱出するまでに少し時間がかかっただけで、そこからは順調にステップアップしています。

この馬の凄いところは、デビューからずっとコンスタントに走っており長期の休養がないところ。

大きな怪我や病気がないのは大したもので、馬の身体がもともと強いというのが一番の理由でしょうが、やはり厩舎スタッフの細やかな体調管理なくしては難しいと思います。

オーナーの理解と信頼に支えられ、ディサイファの本格化に向けて試行錯誤しつつ数年間サポートし続けた小島太厩舎のスタッフの努力が報われました。

今回も、厩舎にとって大きな大きな勝利となりました。


そして武豊騎手ですよ。

元騎手の立場から言わせてもらえば、このAJCCは彼の騎乗なくして語ることはありません。

例えば色々なジョッキーの騎乗で“コース取りが上手いな”とか“追うタイミングは流石だな”とちょっとした技術を目にして感心することは多々ありますが、今回の武豊騎手のような「惚れ惚れするほどに巧い手綱さばき」というのは久しぶりに見ました。

好スタートを切り、行きたい馬を行かせたあとに自分は中団の内側。

通常、馬を出していくときはアクセルをふかす、つまり手綱をしごいていくのですが、武騎手はしごかずに長めの手綱で重心を前にかけ、馬の気持ちだけで出脚を使いあのポジションを取っています。

馬に対して行けとか抑えろという動きを全くしていないので無理をさせていない。

この乗り方の利点は、アクセルを踏まずに馬を行かせているためブレーキをかけるのも容易だということ。

要するに、この位置でレースを進めよう、ここでペースを落ち着かせようと考えた時にすぐに馬が反応してその場所でおさまってくれます。

これは武豊騎手独特の騎乗で、他の騎手がこのような乗り方をしているのはあまり見たことがありません。

ディサイファには200m長いと思われていたこのレースで脚をもたせたうえに、圧勝といえる内容で馬の強さを印象づけました。

何度も言うようですが、今回の勝利は彼の腕があってこそ掴めたものです。

あの騎乗を思い出すたびに、良いものを見たという何とも幸せな気分になります。

30年連続重賞勝利を果たし、46歳の現在もなお一線で活躍中の武豊騎手。

これからもずっとその手綱さばきを見ていたいものです。

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