« 2014年11月 | トップページ | 2015年1月 »

2014年12月

2014年12月31日 (水)

運の強さ、流れ、勝つべくして勝ったレース

2014年最後のGIレース有馬記念。僕個人、平均的に見て出走馬中一番強いと思っていたジェンティルドンナが、見事1着でゴール板を駆け抜け、現役最後のレースを見事勝利で飾りました。鞍上の戸崎騎手は天皇賞・秋に続く2度目の騎乗となり、この馬の良いところ、そして前走ジャパンカップの敗因も十分にわかっていたはずです。前走は良馬場発表とはいえ思いのほか水分を多く含む馬場で、切れ味勝負のジェンティルドンナにとって苦手な状態でした。しかし今回、有馬記念の週の中山競馬場は、例年の9月開催が無く、しかもこの開催でも雨が少なかったこともあり意外と内側が荒れておらず、しかも硬めの馬場状態と、ジェンティルドンナにとってはうってつけ。さらには初めての公開枠順抽選では希望通りの4番枠を引き当てる強運。勝つためにはこのような運も必要なのですが、全てがジェンティルドンナにとって良い流れとなっていましたね。

レースは、ここでも出走馬中一番の好スタート、これがジェンティルドンナの一番の長所ですが楽に3番手を追走、ヴィルシーナが予想通りの逃げを打ちましたが、有力馬である2番手エピファネイアがあまりかかることなく川田騎手がうまく我慢をさせたためペースは超スローになり、前2年に比べ前半800mは2秒も遅いタイムでした。この流れでは前残りは必然、これもジェンティルドンナには文句なしの展開です。 4コーナーを回り直線に向くと一気に仕掛けて先頭に立ち、このペースの競馬を上がり 34.1秒でまとめました。後ろから来る馬は差しきるのが難しいレース展開でしたね。仕方ありません。

ジェンティルドンナは歴代の牝馬トップレベルというだけでなく牡牝あわせても歴史的な名馬であることに疑いようはなく、その力を考えると今回も勝って当然といえますし、また運の強さや流れからも勝つべくして勝ったレースでしょう。これで7冠達成。これから繁殖牝馬として子を送り出す大切な日々が始まりますが、まずは無事に現役を引退できたことでひと安心ですね。関係者の皆さんもお疲れ様でした。

2着は9番人気トゥザワールド。公開枠順抽選で2番目、望み通りの6番枠を引き、結果この馬もインでじっと脚を溜めていたことが好走の要因でしょう。今年のクラシックでも上位の人気を誇りレースを盛り上げながら、ビッグタイトルは取れずにいた馬ですが、常に見せ場があり素質の高さを感じさせていました。春先の競馬を見ると折り合いが難しい性格なのかと思っていましたが、じきに4歳となる現在、成長して落ち着きが出てきたのか、もしくはビュイック騎手が上手かったか、とにかく良く折り合っていて、以前のように燃えることなく淡々と追走している姿からは、上位に突っ込んできそうな気配が漂っていましたね。前半に楽をしている分、最後の伸びにつながったのでしょう。ビュイック騎手は馬を手の内に入れ、能力を最大限に引き出す最高の競馬をしたと思います。注目されていたエピファネイア、レースでの位置取りは良いと思いました。ただしレース自体の流れが瞬発力勝負になってしまったため、この馬には不向きな状況。5着に入線しただけでも立派です。川田騎手は馬の良さを出そうと頑張る好騎乗でした。

ジャスタウェイは、敗因のひとつに枠順が15番枠の外めだったこともありますが、結果的にもう少し前につけたほうが良かったように思います。決め手は世界一といえるほど最高レベル。鞍上の福永騎手はそれをふまえての後方待機だったのでしょうか。凱旋門賞のときにも感じましたが消極的です。確かに流れがハマれば凄い脚で突き抜けますが、毎回そのような流れになるはずはありません。それでもその流れを待ち続ける乗り方では...。これほど強い馬ならば、勝ちにいくために臨機応変なレースをしても問題なさそうなので一度違う乗り方を見てみたかった気がします。

最後に、3着に突っ込んできたゴールドシップについて。流れは決して向いていなかったけれど岩田騎手の判断で早めのスパート、外を回っての追い込みで 3着ならばやはり強い、さすがと思わせる馬の底力と騎手の好判断で、じつに魅せるレースぶりでした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月28日 (日)

1月4・5日の注目馬情報

注目ランクB
久保田 厩舎
ワイルドダンサー
※中山1-3R・3歳新馬・ダ1800mに出走予定

11月の中旬に美浦へ入厩してから、格上馬と併せて再三良い動きを見せている。最終週のダ1800mに岩田騎手で投票したが除外になり、次週にスライドとなった。「今年は年末年始の間が詰まっているので調整がしやすいです。間違いなく能力がありそうで楽しみです」と陣営。父・母ともにこの厩舎で管理していた縁の血統馬で、厩舎関係者も力が入っている。

注目ランクB
松田博 厩舎
ダイシンサンダー
※阪神2-9R・北大路特別・芝2000mに出走予定

復帰初戦の中京戦で本命公開から万券的中をお届けしたことでお馴染みの馬。デビュー当初からその素質は高く評価されており、前走の勝利もある意味で当然のこと。厩舎としてはさらに高みを目指しており、昇級となる次回も通過点にしたいところだろう。

注目ランクMM
勢司 厩舎
エメラルスピード
※中山1-12R・4歳上1000万下・芝1600mに出走予定

1年半ぶりの実戦だった前走は、さすがに休み明けが祟って大敗に終わったが、その当時から『馬の元気だけはイイ』『使った次は面白いかも』と聞いていた。元より、ここ中山マイルがベストの舞台であり、能力さえ出し切ればこのクラスでも通用の下地はある。どこまで変われるかだが、今回はそう軽くは扱えまい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月24日 (水)

馬を邪魔せず長所を引き出した蛯名騎手

グランプリ有馬記念を前に先週、阪神競馬場では2歳王者を決めるGⅠレース、第66回朝日杯フューチュリティSが行われました。舞台を中山から阪神へと移して初めての開催。
これまで使用していた中山1600mはトリッキーなコース形態のため、実力のある馬でも十分に力を出せずに終わることが多かったのですが、阪神での開催になってそれも解消され、本来持っている力による戦いが見られるのではないかと思います。
今回僕が注目していたのはダノンプラチナでした。
前走・前々走の勝ちっぷりがすこぶる良く1番人気に支持されましたが、ファンの期待に応える快勝で見事2歳牡馬チャンピオンに輝きました。
スタート後、鞍上の蛯名騎手は後方グループまで下げての追走。ダノンプラチナが入った2番枠は一見ロスなく有利に進められる内枠なのですが、開催が進んだ馬場は内側が荒れてあまり良くない状態だったため、蛯名騎手はそれを意識してのポジション取りをしたのでしょう。その後、直線でうまく外に出していき仕掛けだすとディープインパクト産駒らしいハジケる脚で抜け出しゴール。蛯名騎手の馬場状態を読んで馬の長所を引き出したこの騎乗が、今回彼が騎手として行った最高の仕事です。馬の邪魔をせず力を出し切ることだけを考え、あとは馬の能力に任せるだけ。蛯名騎手はディープインパクト産駒に多く騎乗し特徴は掴んでいるでしょうし、最大の武器である末脚が必ず出ると確信している乗り方でしたね。血統というものの重要性をこれほど強くアピールできる種牡馬はそう多くなく、ディープインパクトの凄さをあらためて感じるレースとなりました。先週に続き出走メンバー中ただ1頭のディープインパクト産駒がまたしても大仕事をやってのけました。

注目馬2番手は3番人気クラリティスカイ
道中は中団の外め、馬場の良いところを選んで徐々に進んでいきました。直線しぶとく伸びてはいますが、決め手の点で勝ち馬ダノンプラチナの脚には及ばず3着。ダノンプラチナだけでなく2着馬アルマワイオリにも敗れてしまいましたが、これはアルマワイオリの鞍上・勝浦騎手が非常にうまく乗った結果なので、相手を褒める以外はありません。
クラリティスカイはおそらくとても賢い馬で、器用なレース運びができるタイプだと思うので、道中で上手に脚を溜められるでしょうし、その溜めた分だけしっかり伸びてくれる気がします。現在の時点で安定した確かな力を持っているように思います。このような馬は大崩れしないので、これからも注目したい1頭です。
オルフェーヴルの全弟アッシュゴールドは4番人気に支持されましたが8着敗退。
気難しい性質らしく、騎手にとってはレースで気苦労が絶えないのではないでしょうか。その代わり潜在能力はじつに魅力的。どう乗りこなすかだけですね。今回のレースでは、手綱を握る池添騎手の慎重なレース運びが印象的でした。馬の気性をふまえて無理をさせず大事に騎乗していましたが、これは8着という結果を見ると消極的すぎる騎乗に見えるかもしれませんが、兄オルフェーヴルがそうだったように1戦1戦じっくり教えこんでゆく必要があるのでしょう。それでもいい競馬になると思っていましたが…。2歳でまだまだ精神的にも身体的にも未完成の今、無理をさせて将来の芽を摘んでしまってはいけません。関係者にとって課題は少なくないでしょうが、心身が成長し完成された時にはどんなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月21日 (日)

12月27・28日の注目馬情報

注目ランクB
加藤征 厩舎
トーセンマタコイヤ
※中山7-10R・グレイトフルS・芝2200mに出走予定

7ヶ月振りだった前走の精進湖特別、『ハンデが重過ぎる』と不満を漏らしながらも、『それでもココでは能力が違う』と強気に構えており、その通り強い勝ち方でデビューから3連勝を決めた。勝った後はこの厩舎のパターン通り放牧に出して調整。帰厩してからも順調に乗り込まれている。ここ2戦騎乗した田辺騎手は、阪神Cでクラレントに騎乗するため中山にいないが、代役が北村宏なら何の不満もない。

注目ランクB
田中章 厩舎
キングズガード
※阪神7-10R・妙見山S・ダ1400mに出走予定

少し息遣いに難がある馬で、その分だけもうひと押しを欠く競馬を続けていたが、ココに来て連勝とようやく本格化の兆し。デビュー戦から目を引く競馬をしていた馬で、非常に高い学習能力は注目に値する。ここ昇級戦となるが、相手なりに走れるタイプであり、イキナリから勝ち負けに持ち込んでくるだろう。

注目ランクMM
萩原 厩舎
ハイパーチャージ
※中山7-8R・3歳上1000万下・ダ1800mに出走予定

前走が不可解な敗戦だったが、立て直した効果でこの中間の気配はイイ。現級通用のメドは立っている馬だけに、巻き返しの期待は高まる。まだ出世が見込める素質馬だけに、連敗は避けたいという厩舎の思惑も強調できる材料となる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月14日 (日)

12月20・21日の注目馬情報

注目ランクMM
加藤征 厩舎
チョコレートバイン
※中京5-6R・3歳上500万下・芝1400mに出走予定

年明けの京都で新馬勝ち。その後クラシック候補として牝馬の王道路線を歩もうとしたが、馬場に泣かされるなど力を出せず。パワーアップした秋初戦もまたもや馬場に泣かされるという不運続き。十分に間隔を開けて調整、除外を挟んで来週改めての出走となる。「久々を一度使った事で気合が出て来ました。良馬場でできれば、500万はアッサリの馬です」と、今度こそと力が入る陣営。

注目ランクB
鹿戸雄 厩舎
ロッカフラベイビー
※中山6-9R・ひいらぎ賞・芝1600mに出走予定

阪神JFは除外になってしまったが、1戦1勝の身でブツけようとしたくらい、厩舎がその素質に期待している1頭。初戦時も「まず負けない」「馬なりで勝つ」と、方々からイイ話を聞いていたが、その通りの強い勝ちっぷりだった。今度は1勝馬同士に加え、牡馬相手。楽ではないが、突破できる下地はある。

注目ランクB
奥平 厩舎
ウインフェニックス
※中山6-12R・3歳上1000万下・芝1600mに出走予定

立て直した前走でもイイ話を聞いていたが、6番人気の低評価を覆す走りで改めて良さを見せてくれた。中山コースにも対応できる器用さのあるタイプだけに、舞台が替わっても引き続き期待できる。石橋脩もその素質を絶賛している1頭。スッキリ決めて次のステージへ進みたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月10日 (水)

並ぶとしぶといホッコータルマエを導いた好騎乗

先週は中京競馬場で第15回チャンピオンズカップが行われました。
このレース名での実施は初めてでもジャパンカップダートから続けてカウントするので当然なのですが、どうしても第15回というところに違和感がありますね。
ダートのGⅠレースが新設されるということで(たまたま乗せてもらえる馬がいたのもあり)当日を楽しみに迎えた第1回ジャパンカップダート。それから14年が経過し、すっかりレースが定着した今となっては、慣れ親しんだレース名が変わることに少々戸惑いも感じますが、月日を重ねることで朝日杯FSや阪神JFなどのように馴染んでゆくのでしょう。
さてその記念すべきチャンピオンズカップはコパノリッキーが1番人気に支持されました。今年のフェブラリーSを最低人気で勝つと、その後も地方で行われるかしわ記念・帝王賞・JBCクラシックの統一JpnⅠレースに出走し2勝2着1回の快進撃。そのいずれも強さが際立つ内容で、持ち前のスピードを生かしダート界トップレベルの馬たちを圧倒する走りを見るとフェブラリーSの勝利は実力だったと認めるほかありません。
戦法としては逃げまたは好位、いつでも抜け出せるポジションをキープし好成績をあげてきたコパノリッキー。今回もメンバー的に先頭または2番手につくだろうと読んでいましたが、なんとスタートは馬の身体が伸び上がるような形で出てしまい、そのために行き脚がつかず後方グループになりました。あれでは真の力を出せるはずもなく、終始中団から後方のままレースが終わってしまいました。力不足で敗れたわけではないので評価は変わらず、次走も人気になるでしょうがやはり外せない馬です。

優勝したのは2番人気馬ホッコータルマエ。鞍上は幸騎手。
この馬は後ろから一気に抜かれると弱さを見せ、そして1頭になると気を抜くという面倒なタイプですが、並んだままならかなりしぶといという長所があります。レースはコパノリッキーの代わりに逃げたクリノスターオーがスローペースで進め、好位グループ勢にとって有利な展開となり、ここが幸騎手の上手いところですが、ホッコータルマエをその逃げたクリノスターオーの2番手にぴたりとつけて、いつでも動き出せるような位置取りをしました。直線までクリノスターオーが引っ張ってくれたおかげで目標として後ろをついて行けたし、先頭に立った後は3着馬のローマンレジェンドが追い込んで馬体を併せるところまで来てくれたために馬が気を抜くことなく最後まで踏ん張れました。戦績からもわかるとおりその強さは誰もが認めるものでしたが、やはり陣営にとって今回のJRA・GⅠを勝ったことは大きく、ダートチャンピオンとしての自信・誇りが揺るぎ無いものになったのではないでしょうか。
7番人気ながら注目していたクリノスターオーはマイペースの逃げが叶い、自分の競馬はできたようです。このペースで粘りきれなかったのは、出走メンバーを考えると仕方がないかもしれません。
あと期待していたのがローマンレジェンド。レースは勝ち馬をマークする形の、この馬にとって理想的な流れになりました。鞍上の岩田騎手はスローペースを見越して3・4コーナーで外に持ち出し早めに仕掛けていきましたが、この思い切った判断があったから3着に好走することができたのだと思います。最後に脚が上がってしまったものの見せ場は十分で、岩田騎手の好騎乗が印象的でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月 7日 (日)

12月13・14日の注目馬情報

注目ランクMM
藤沢和 厩舎
アピア
※中山3-11R・ラピスラズリS・芝1200mに出走予定

今回が中央転厩初戦。地方大井で9戦8勝の実績があっても、なかなか評価しづらいところだと思うが、この馬の馬主はかつて奥平真厩舎で数々の名馬を手掛けた腕利き厩務員。退職後、美浦近郊で牧場を開業、大成功したという背景を持っている。藤沢和とも縁のある人間だけに、伊達や酔狂で使ってはこない。一戦目からそのレース振りに注目。

注目ランクB
堀 厩舎
エルマンボ
※中山3-8R・3歳上1000万下・ダ2400mに出走予定

休み明けでも仕上がり万全と盛り上がっていた前走。3番人気とオイシイ人気で買えたわけだが、相手もキッチリ捕らえて馬連で8770円のスマッシュヒットを本社情報にてお届けした。「ダートの長丁場が合うタイプ」と、前走後はこのレースを目標に設定。状態次第では1週スライドするという話も、慎重派の堀厩舎らしい。使ってくれば態勢は整っていると見ていい。

注目ランクMM
勢司 厩舎
ロンギングケイシー
※中京3-9R・3歳上500万下・ダ1800mに出走予定

あと一歩のところで勝ち切れなかったが、ブリンカーを着けた前走で待望の初勝利を挙げた。その後は連戦の疲れを取るために放牧して休養。11月中旬に美浦に戻って来てから順調に調教を積んで好仕上がりを見せている。「徐々に気合が乗って、動ける態勢になっています。相手なりに走るところがあるのでクラスが上がっても差のない競馬ができると思います」と陣営。ダートの1800mの番組は日曜日にもあるので、メンバー見て動く可能性はあり得るが、どこに出ても狙うなら休み明け一発目の今回だろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年12月 3日 (水)

エピファネイアを勝利に導いたスミヨン騎手の技術

1981年の第1回ジャパンカップから33年が経ちました。デビュー2年目だった僕も師匠である故中尾調教師の管理馬で出走させてもらいましたが、その日の競馬場の異様な盛り上がりやレースの流れ、若かった当時の気持ちなど今でもよく覚えています。当時は世界で活躍する競走馬や一流ジョッキーを直接に目にすることなどなく、その華やかさは夢のよう。レースでは“負けるものか”という気持ちより、ただただ海外の馬や騎手とともに走れるのが楽しみで誇らしくて、その中で良い走りができるよう考えて騎乗しました。
日本馬が世界に活躍の場を広げ多くの外国人騎手がいつでも日本で騎乗できるようになった現在は珍しい光景ではありませんが、やはり今でも海外の関係者で賑うパドックの様子などを見るとジャパンカップ特有の華やかさを感じます。
さて第34回ジャパンカップ。今年はとても豪華な出走メンバーが集まり、特に日本馬に楽しみな馬が多く、海外の大レースで好走した馬や、世代トップレベルの3歳馬が古馬とどんな戦いをするのかなど見どころが多かったと思います。

僕が注目したのは2番人気に支持されていたハープスターです。前走・凱旋門賞での脚は並の3歳牝馬とは思えず本命にしたのですが、基本的に乗り方が難しい馬でもあり、最後の直線で凄い脚を使うのはわかっていても、そこに至るまでにどの位置にいるかが非常に重要。いつもは後方、たまに最後方のときもありますが、今回のメンバーを最後方から全馬ごぼう抜きなどまず不可能でしょう。なので鞍上・川田騎手が乗り方を工夫してくるだろうと期待していました。
そして予想通り、レースは普段より少し前めの中段のやや後ろのポジションを自ら動いて取りに行っていました。これは、前の有力馬を射程圏に入れる競馬で、勝ちを意識しての事だと思います。そして、今の東京の馬場を考えれば、直線でも外へは出さず、内から捌いて来ると踏んでいました。実際、3コーナーではそういうコース取りでした。しかし、これが仇となってしまい、丁度行き場が少なくなったところで故障したトレーディングレザーが下がって来て、直接影響を受けてしまいました。結局、接触してしまい外へ進路を取らざるを得ない状況、勝負は時の運とは言え、この勝負処での出来事は不運以外の何物でもありません。立て直して、直線では大外から追い込んで見どころは十分にあったものの5着まででした。
しかし、これは3歳牝馬としては決して悪い結果ではなく、むしろよく走ったと褒めるべき走りだと思います。良い脚を見せてくれました。
騎手として、これまで好結果をあげてきた乗り方を変えるのはかなり勇気が必要で、今までと違うレースをしたために悪い結果が生じる可能性を考えるとなかなか踏みきれないことも多いです。でも今回ハープスターの走りを見て、冒険するのも悪くないと思いました。今回は滅多に無い不運に見舞われてしまいましたが、川田騎手の肝の据わった騎乗が印象的で、この年で人気馬に乗りながらあのような騎乗ができるのだからじつに頼もしい騎手です。

今年のジャパンカップ優勝馬はエピファネイア
この馬は道中かかりっぱなしで乗り役泣かせなタイプです。折り合いが難しい馬は、あまり闘志に火をつけないようゲートをソッと出すことがよくありますが、これは位置取りを悪くする可能性もあるため悩ましいところで、スタートが良ければかかる恐れがあるし、かといって消極的ではリズムを崩してしまう。しかしスミヨン騎手には馬を御する自信があったのでしょう。2・3番手のポジションを取りに行きそこで折り合いをつけました。確かに多少行きたがる場面はありましたが、逃げ馬の後ろにつけてなだめたあたりは見事です。
映像を見ると、そこで手綱をグッグッと動かし馬をなだめる動きがあるのでぜひ、ご覧になってください。そこでの我慢が最後の脚につながりましたね。外国人騎手と日本人騎手の技術の差というものをよく言われますが、僕はそう感じたことはなく、それは単に個人の技術の差であるという考えのもとで、もちろん外国の超一流と思われる騎手の技術には舌を巻くこともありますが日本人でも技術や意識のレベルが高い騎手は多いので気にしませんでした。ただこのスミヨン騎手の騎乗に関しては“違いはこのことか”と思いました。
彼の騎乗なくして今回の勝利はなかったでしょう。素直にそう感じる上手い騎乗でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2014年11月 | トップページ | 2015年1月 »