« 痛んだ馬場を利した馬と泣いた馬 | トップページ | 10月25・26日の注目馬情報 »

2014年10月15日 (水)

小牧騎手が後方からの競馬を選んだわけ

先週から舞台を新潟から府中に移し、本格的に秋の競馬シーズン到来という気分です。
その第1週目のメインレース、第65回毎日王冠で僕が最も期待していたのは1番人気のワールドエースでした。2012年の日本ダービーで1番人気になったほどの馬、そのキレのある脚や強さを感じる勝ちっぷりが個人的にとても好みで、今回もどれだけ凄い脚を使って追い込んでくるかと思って見ていましたが、直線不発で結果は13着大敗です。
敗因として思い当たるのは、返し馬の雰囲気。
かなり引っかかり、鞍上の小牧騎手が抑えるために苦労する様子が見られましたが、これが今回のレース運びに影響したのではないでしょうか。
騎手はパドックで馬の背に跨り、まずは歩様で状態を確かめます。そしてその後の返し馬で実際に走らせてみることによってその日の馬の状態を直に肌で感じ、見ただけ・跨っただけではわからないコンディションの微妙なところを掴んでコンタクトも確認。ここでレースに向けてどう乗るかという最終的な判断をします。
小牧騎手はおそらく、この返し馬での感触によりあのようなレース運びにしたのだと思います。あれだけかかった様子を馬が見せてしまうと、レースでもムキになり引っかかって持っていかれるのではないかという不安を感じるのは当然でしょう。
ましてや枠が大外15番枠とあっては、引っかかった場合に馬で壁が作れず、その後はもう為す術がなくなり馬が激しく消耗し最後の脚など残らない。小牧騎手はそう考えてスタートをそっと出して折り合いに専念する乗り方を選んだのではないでしょうか。その結果が後方3番手のポジションになってしまったというわけです。
開幕週のパンパンの馬場のわりにレースの流れはそれほど速くなく前半1000m通過が59.1秒、その後のペースは緩くはならなかったものの、やはり前半の位置取りがそのまま結果に直結したように思います。13着という着順はこの馬の能力からは考えられないものですが、今回の返し馬の状態を見るに、騎手としてはあのスタートの出し方を選択した気持ちはとてもよく理解できます。僕でも同じように出していたかもしれないと思うと、仕方がないと気持ちを切りかえるほかありませんね。

優勝したのは8番人気馬エアソミュール
とても難しい気性の馬ですが、このレースでは、鞍上の武豊騎手も初めて経験するほどの折り合いの良さを見せました。内々で脚をためつつピタリと折り合う文句なしのレース運び。直線に向いて、前が壁になり進路がなかなか見出せなかったようですが、それでも一瞬の隙をついて一気に突き抜けてきました。さすがというしかない武豊騎手の好判断、好騎乗です。彼らしい計ったような差し切り勝ちは見ていてとても気持ちよく“ホント上手いな”と感心してしまいます。いつでも観る者を魅了する騎乗は健在。これからもその確かな技術とスマートな騎乗で馬を勝利へと導いてゆく姿を見せてほしいと思います。

|

« 痛んだ馬場を利した馬と泣いた馬 | トップページ | 10月25・26日の注目馬情報 »

レース回顧」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1466872/57685893

この記事へのトラックバック一覧です: 小牧騎手が後方からの競馬を選んだわけ:

« 痛んだ馬場を利した馬と泣いた馬 | トップページ | 10月25・26日の注目馬情報 »