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2014年8月 6日 (水)

柴田善騎手が千直で見せたベテランの度胸

夏の新潟競馬が始まりました。
気温30度どころか35度を越える日も多くなった昨今の日本はどこにいても暑く、中でも新潟は雪国だから涼しいと思ったら大間違いで、競馬の日はとても辛い思いをしました。もちろん夏の新潟競馬=最も暑い時の騎乗になるので、これが他の競馬場であってもそこが特に暑く感じるのかもしれませんが、やはり湿度が高い新潟独特の暑さは堪えましたね。
パドックで騎乗し返し馬、そして待避所までの10数分間でブーツや鞍など馬装すべてが素手で触れないほど熱くなり、減量で汗をかきやすくなった身体は滝のような汗が止まらず、前検量と後検量で体重が1キロ以上も落ちていることもしばしばです。食欲がなくてもちゃんとした食事をとり普段以上に体調管理に気を配らないと夏競馬を乗り切ることはできません。涼しいところで生まれ育ち、暑さに弱い競走馬にとっても、ただでさえレース後は疲れで多少の反動がくるのに夏の強い日差しを浴びながらのパドック周回・レースでの全力疾走は消耗がいっそう激しいので、世話をする厩務員はとても気を遣います。
先週はその暑さ厳しい新潟競馬場が1年で最も熱くなるレース、第14回アイビスサマーダッシュが行われました。優勝は1番人気馬セイコーライコウ
競馬はスタートが重要とこれまでに何度も述べてきましたが、この直線レースが全コースの中で1番といえるくらいスタートが大切でしょう。とにかく他馬より速く出て前につける。少なくとも僕が現役の頃は、これが騎手の間で鉄則といえる乗り方でした。
しかしセイコーライコウの鞍上・柴田善騎手は、スタート後それほど手綱をしごくわけでなく馬なりで追走、そして位置取りは中団と、馬の手応えが良かったこともあるでしょうが直線1000mの競馬であのポジションでじっとしていられる乗り方はさすがです。相当な自信と度胸がなければできませんね。レース半ばで周りの馬の手応えをうかがう余裕さえありましたよね。直線競馬でこの勝ち方は、まさに完勝です。
僕がカルストンライトオに騎乗し優勝した2004年のアイビスサマーダッシュは2着に3馬身差をつけての圧勝、その年のスプリンターズSでGⅠ制覇を果たしましたが、馬場や展開に恵まれたとはいえ、やはり圧倒的なスピードやパワーあるいは鋭い切れ味など何か秀でたものがなければ重賞馬にはなれないと思うし、もちろん馬の調子が良く勢いが増している時期であることも大切。とにかくそういうときは勝つために全てが上手くいくものですが、セイコーライコウのレースぶりを見ると、そういう勢いや充実ぶりが感じられます。
次走予定しているGⅠスプリンターズSの今年の舞台は新潟。直線競馬とはコース形態が変わりますが、相性の良いこの地で再び快走が見られる気がします。

2着には軽量51キロのフクノドリームが入りました。短距離&直線のためスタートを間違えると取り返しがつかないこのレースでは、斤量が軽い方が断然有利です。3歳牝馬が好走するという傾向もそこにあるのでしょう。さらにこの直線レースの特徴として、誰もが知っている“外枠有利”が挙げられますが、レースが行われるのは開幕週でどこもかしこもパンパンの良馬場であるにも関わらずそう言われるのはなぜかというと、使い馴染んだソファやベッドのように、見た目でわからなくても実際に使用するとよく居る場所だけやわらかくなっているのと同じで、競馬場では丁寧に管理補修を行っていますがコースの外側は直線レースでしか馬が通ることがないため、どうしても内に比べると固く、いかにもスピードが出やすい状態になっていることが多いからだと思います。フクノドリームはもともとのスピードや器用さがあり、それに加えて、大外の1頭が除外されたこともあり12頭立ての11番枠からの競馬で無理なく外側が走れ、スムーズにレースを進められたことも好走の要因だと思います。また、久しぶりの騎乗でテン乗りに近い状況で結果を出す横山典騎手もさすがですね。

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