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2014年2月26日 (水)

完璧な騎乗ながらペースに泣いた

2014年初のGⅠレース、第31回フェブラリーSが先週、東京競馬場で行われました。
まずは1番手に挙げた2番人気馬ホッコータルマエについて。
道中は5番手追走、直線は外に持ち出して上がり35.1秒の脚を使うも届かず2着。ただ敗れたとはいえ鞍上の幸騎手の騎乗には何の落ち度もなく、パーフェクトといえるレース運びができていました。敗因はレースのペースでしょう。
昨年に比べ前半800mの通過は1.5秒、1000m通過では2秒も遅いペースとなり、これだけ流れが落ち着いてしまうと、前々で競馬をする馬にはチャンスが多くなります。普通ペースであればホッコータルマエのポジションは当然勝ちパターンになるところですが、今レースに限ってはあの位置でも後ろ過ぎたのかもしれません。
逃げ馬はエーシントップですが、この馬が逃げることは全ての騎手がわかっているので競りかけることはなく、ましてや古馬でGⅠレースの大舞台ともなれば、これまで築いてきた勝ちパターン=その馬にとって最も良い形というものがあり、現状そのベストなポジションにあれば、思い切った位置取りや普段しない走りをあえてこの場でさせようとは思いません。馬のリズムを崩すようなリスクをわざわざ背負う必要が無いからです。
また逃げ馬が有力馬であれば違ったのですが、12番人気の人気薄だったことも大きく、他の人気馬に跨る騎手たちは完全にノーマークでした。これは、もしもエーシントップを目標にしていたら後続馬に差されてしまうのはわかりきっているので仕方のないこと。その後エーシントップがスローペースに落としても競りかけられず、自分が今いる位置をキープしつつ流れに乗って淡々とレースを進めるしかありませんでした。
幸騎手も、流れが遅いと知りながらも上記の理由で動けなかったのではないでしょうか。それでもあのペースには危険な香りを感じていたようで、直線では追い出しをいつもより早めて前を捕まえに動いていきました。その仕掛けどころも含めて完璧な騎乗でした。
ホッコータルマエもさすがの底力、負けたのは残念ですが強さは十分に見せました。

優勝馬コパノリッキーはシンガリ16番人気での大金星。
スタートから逃げ馬を見る形で2番手を追走し、外から被せられることもなく、見ていてとても気分良く走っていたのがわかりました。スローペースを最大限に生かした田辺騎手乗り方が勝利につながりました。GⅠ初勝利がかかる田辺騎手、直線で早めに先頭に立ったときにはただでさえ長い府中の直線がさらに長く感じ、ゴールはこれまでで最も遠く見えていたことでしょう。デビュー13年目の彼、ゴールしてしばらくは放心状態だったとのこと、GⅠゴールの瞬間の感情は例えようがありませんが、よくわかります。
勝利ジョッキーインタビューでは、ずいぶん落ち着いた雰囲気になっていたのが印象的でした。僕が現役騎手だった頃の彼は20歳そこそこで(少し言葉は悪いのですが)イマドキのチャラッとした感じだったと思いますが、30歳になった現在は若さや甘さが抜けていかにも思慮深い青年に成長しました。だからこの数年、多くの騎乗依頼があり、期待に応える成績をおさめているのでしょう。これから競馬界を支えてゆく彼らの世代の活躍を心より願っています。

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