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2013年12月 4日 (水)

日本の競馬に合うフォーム

先週は第14回ジャパンカップダートが阪神競馬場で行われました。
2000年に創設され僕も第1回で騎乗した(ちなみに第1回ジャパンカップと第1回ジャパンカップダートの両競走で騎乗したのは僕以外にも加藤和宏騎手=現調教師がいます)このレースは、当初、東京ダート2100mコースでジャパンカップの前日に行われていましたが、年によっては同日開催であったり阪神の1800mに舞台を移したりとなかなか落ち着かずに13年が経ち、来年からは国際招待競走から国際競走になりレース名も変えるとのことで今年が最後の「ジャパンカップダート」です。とはいえレース名の変更は(朝日杯FSや阪神JFなど)過去にもあり、ジャパンカップダートがチャンピオンズカップになったとしても、フェブラリーSとともにJRAにおけるダートの頂上決戦であることに変わりありません。

今年もGⅠホース9頭が出走し、華やかなレースとなりました。
優勝馬は3番人気ベルシャザール。2011年のクラシック戦線で上位人気になるなど能力は高かったのですが、芝のレース1戦のみの昨年以降、1年2ヶ月の休養を挟んで復帰した今春からダート路線を進んできました。そこからは存分に才能を発揮し絶好調のこの秋、一気にダートの頂点まで駆け上がりました。
レースはポジションを中団に置き、ペースが遅いと判断すると3コーナーからじわじわと仕掛けだし、4コーナーから直線に向くときには前を行く馬を射程圏内に入れていました。この手が届く距離につけたルメール騎手の判断により、ゴール板の数十メートル前で先頭の1番人気馬ホッコータルマエを早めに捕らえることができました。レースのペースが遅く決め手勝負になったことも切れ味の鋭さで他馬を上回るベルシャザールにとっては願ってもない展開で、勝つべくして勝ったレースといえますが、やはり最大の勝因は、あの位置へと馬を導いたルメール騎手の感性と騎乗技術だと思います。馬と騎手、両方の力が見事にかみ合ったレースでした。

2着には、これで3年連続の2着となるワンダーアキュートが入りました。
この馬は決め手がある代わりに、途中で中途半端に動きだしてしまうと折角の脚が台無しになるため、鞍上の武豊騎手は直線に向くまで追い出しをギリギリまで我慢しました。
もう少し早く動いていたら勝てていたのではと考える方もいるでしょうが、早く動けば動くほど着順は下になります。武豊騎手はこれ以上ないと思わせるタイミングで動きました。
よほど展開がハマらないと勝ちきれないタイプなのかもしれませんが、GⅠレースでここまで好成績を残せるのだから力はかなりのものですね。

1番人気ホッコータルマエは3着に敗れましたが、レース展開によるものは仕方ありません。
残念なのは鞍上の幸騎手の騎乗フォームです。
あのような追い方を昨年あたりから目にしていましたが、今回は馬上で暴れていただけで本来の「馬を追う(動かす)」という目的から外れていたように見えました。JRA競馬学校で教わらないこのスタイルが最近では主流なのでしょうか。
ヨーロッパスタイルと呼ばれるこの乗り方は、開催に合わせてカットする日本の芝コースとは違い芝が深くタフな馬場で行われる欧州の競馬向きで、騎手は腰をしっかり据えて後ろから押し出すように追います。日本の競馬場は、芝は軽く硬めで、ダートもそれほど深くありません。ヨーロピアンスタイルが悪いというわけでなく、このような馬場ならダート主流のアメリカンスタイルが合うように思うし、個人的には馬の首に張りつくように乗るモンキースタイルが好きです。手綱をピンと張り馬の首を押して前へ前へと進んでゆく。ホッコータルマエを追い抜いた1、2着のルメール騎手と武豊騎手の、シュッシュと一追いごとに伸びてゆく馬体と一つになった美しい騎乗姿勢が印象的でした。
馬は、ハミをしっかりと噛むことで首が最大限に上下し前に出てゆき速く走れるのです。
今回の幸騎手は、手綱が左右バラバラの動きで長さもブラブラ、ハミが全くかかっていない状態で追っていましたが、あの状態でどうやったら馬が全力を出し切れるのか知りたいものです。前後運動で伸びてゆく1、2着馬とは対照的な上下運動で全然進みませんでした。
ヨーロピアンスタイルにしている騎手たちがその乗り方を続けるのならば、カタチだけでなく「馬を動かす」という原点を忘れずに励んでほしいと思います。

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