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2013年11月20日 (水)

自信に満ちたユタカの騎乗

早朝の空気の冷たさに冬の訪れを感じるようになったこの頃、秋のGⅠシーズンも気づけば終盤に入り、2013年の競馬は残すところあと5週となりました。
先週は京都競馬場で第30回マイルチャンピオンシップが行われました。今年は混戦ムード。
素質で勝てる若馬の頃の成績は別にして、1200mから1600mまでGⅠレースでも通用するような絶対的王者、その時代における最強馬といえる存在は数年に1頭出てきますが、今年は粒こそ揃っているもののそこまでの存在は見当たりません。もともと1800~2000mあたりの中距離重賞で好走する馬や短距離レースを得意とする馬など、幅広いタイプが揃って出走してくるマイルGⅠ。予想はとても難しいものとなります。
そんな混戦のマイルCSを制したのは、春の天皇賞2着馬トーセンラーでした。
一昨年のクラシック戦線を盛り上げてくれたこの馬は、デビュー戦から今まで1800m以上のレース経験しかなく中・長距離重賞に重点を置いてきましたが、マイルCS当日は何と2番人気に支持されました。これはやはり馬の能力の高さは誰もが認めているということで、、また鞍上の武豊騎手も人気を後押しする形になったのでしょう。
レースでは後方グループにつけて折り合いに専念、直線に向くとうまくスペースを見つけ、他馬とは次元の違う脚であっという間に前を捕らえました。ペースがそれほど速くなかったこともあり脚や体力の余計な消耗がなく素晴らしい伸び脚でした。
初の1600m戦にも全く戸惑うことなくレースを進められましたが、これは鞍上の自信が手綱を通して馬に伝わっていたのかもしれません。武豊騎手は不安を感じるどころか、むしろトーセンラーにとってベスト距離のレースであるかのように自信に満ちた騎乗をしていました。作戦通りと思われる後方追走には最後に必ず良い脚を使ってくれるとの馬への信頼が見え、そのとおりゴールまでの距離・流れをきっちり掴んでいる彼ならではの勝ち方は本当にお見事という他ありません。
彼ほどの騎手になると大舞台で動揺が表れるような騎乗などありませんが、それにしてもレースを見ていてやはり他の騎手とは冷静さが全く違います。いつまでもトップであり続けてほしい騎手です。

期待したクラレントは4番人気ながら11着に大敗。
レースでは好位の3番手で外側を追走、直線で追い出すと一瞬伸びかけましたがラスト100mあたりで失速してしまいました。内容に悪いところはなく、あえて敗因を挙げるのなら480~490キロで好走を続けてきたこの馬の馬体重が12キロ増だったことでしょうか。
目標であるGⅠレースに出走する以上、陣営は当然体調を万全にし目いっぱいに仕上げていくるので、追いが不足してゆるんでいるなどということはありませんが、仕上げる過程で強めだと感じられる場合は追いきり後に少しだけラクをさせるときもあります。今回のクラレントの馬体重増はどの類のものかわかりませんが、GⅠでも十分に通用する力がある馬なので、次走でも期待せずにはいられません。
1番人気ダノンシャークは3着。鞍上の福永騎手は、好スタートを決めると位置取り・追い出しのタイミングと言うこと無しの完璧な騎乗でした。勝った馬と決め手の差が出たのは仕方がないと思えますが、2着馬ダイワマッジョーレを捕らえられなかったことは誤算。
完璧な騎乗ができたときになぜか勝てなかったり、逆にミスや不利がありながらも流れのアヤで勝ってしまうことがありますが、競馬は1頭だけでするものではなく、いろいろな個性をもつ多くの馬、それぞれの騎手の思惑、そして説明のつかないような流れなど様々な要素が重なり合って成り立っています。そこが難しく面白いところです。

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