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2013年9月11日 (水)

苦い経験を次への糧に

先週は秋の中山競馬開幕を告げるレース、第58回京成杯オータムハンデが行われました。

注目を浴びたのは横山和騎手が手綱をとるルナ
横山和騎手はスタージョッキーの父親(横山典騎手)をもつため2011年のデビュー時より期待されましたが、2年目まではさほど目立った活躍はありませんでした。ところが3年目の今年は夏の函館でも好成績を残し、周囲の期待に応えるような成長ぶり。ルナとは、3歳時の昨年秋の福島で初めて騎乗して以降、抜群の相性を誇り、馬の本格化も手伝って今年は5度騎乗し4勝を挙げています。そして迎えたこのレースでは、ポンポンと勝ち進んできた順調さが評価されたのでしょう、ルナが重賞初挑戦ながら1番人気に支持されました。

おそらく初めて味わうであろうプレッシャーの中を、どうレースするのか、特にスタートに注目し見ていましたが出脚がつかず、逃げ馬としては拙いスタートになってしまいました。それでもとにかく逃げることしか頭になかったのか、押して押してどうにかハナに立てましたが、そこまでに脚をかなり使ったことと、先に行った外側のテイエムオオタカと競り合う形になりペースが速くなったことで、非常に不利な展開となりました。
新潟のようにスタートしてしばらく直線が続く、楽に先手を奪えるコースならまだしも、スタート後すぐに右側にコーナーがずっとあるトリッキーな中山の1600mコースでは、いかに素早く内に入るかが重要で、外にいたら振り回されてどんどん状況は悪くなっていきます。ルナのような逃げ馬には一瞬の反応の遅さは致命的で、本来ならポンと良いスタートを切り、すかさず内に寄せつつ先頭に立つのが理想です。
では、なぜスムーズなスタートが切れなかったのか。
「1800m~2000mでもおっつけていかないとハナを奪えない馬で、さらに流れが速いマイルは適距離ではない」とレース後に話していたことから、おそらくルナはスタート後にあまりハミを取って行くタイプではないのでしょう。また先手が取りにくいコース形態であることも、レース運びが上手くいかないかもしれないという横山和騎手の不安を煽る材料であったと思います。そして何より1番人気の重圧。
騎手の中に少しでも「負の気持ち」があると身体が硬くなって、その気持ちは手綱を通して馬に伝わります。馬は賢く敏感な動物で、乗馬初心者が背中に跨り指示を出しても馬はナメて言うことを聞かないし、乗れる人の手にかかるととても素直になり真面目に走ります。もちろんレースで競走馬に騎乗するのは、厳しい訓練を積み技術的に大差ない騎手たちですが、性格や経験の多少により乗り方は全く違うし、その時の騎手の精神状態も大きく影響します。鞍上がリラックスしていればすんなり出ていけるのに、絶対に行かなきゃいけないと気が逸ると、気持ちばかりが前に出て身体とチグハグになり馬のタイミングもずれてしまいます。これが出脚がつかなかった理由ではないでしょうか。
あと、その後に無理やりハナを奪いに行ったことも敗因のひとつだと思います。
先頭に立つことのみでペースは考えていないような暴走に見えて、あれは3番手以下で競馬をした騎手たちは心の中でラッキーと思ったはず。上手く逃げられたら面倒ですが、あの調子では勝手に潰れてくれて、自分に大きなチャンスが生まれるのですから。
スタートが悪かったからといって動かずに好位でおとなしく進めていれば良かったかと聞かれれば、それはわかりませんが、少なくとも10着という今回の着順よりも少しは上にいけたと思います。強引にハナに立って速いペースにしてしまうと馬のリズムは崩れ、スタミナの消耗も激しくなります。ゴールまでもつわけがありません。
まだ3年目の騎手に対して厳しい目で見てしまいましたが、横山典騎手の息子であることを自覚し努力を怠らない本人は敗因を一番わかっているでしょう。この経験はきっと次に生かされます。大レースで人気馬に騎乗し優勝する日が来ることを楽しみにしています。

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