« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »

2013年9月

2013年9月25日 (水)

最後の一冠に向けて…

先週は阪神競馬場で菊花賞トライアル、第61回神戸新聞杯が行われました。
優勝馬は単勝1.4倍と断然の1番人気を背負い登場したエピファネイア。期待を裏切らない堂々とした走りは完勝といえるものでした。
皐月賞・ダービーともに2着に好走し今年の3歳牡馬の中でもトップレベルの力を持つ同馬にとっては前哨戦とはいえ絶対に負けられないレースで、鞍上の福永騎手にかかる重圧はかなりのものだったと思います。今回のように強い馬で強い勝ち方ができたことで、菊花賞でも自信をもって臨めるのではないでしょうか。個人的には最後の一冠はこのコンビがとることを願っています。

不安がまったく無いかといえば、そうでもありません。
レース後の記事では、折り合い面は克服したと見られているようですが、僕が見る限り、まだまだ安心はできません。
確かに今回のレースは上手くいきました。上手くいき過ぎたと言うべきでしょうか。
勝因は道中の位置取りと思いますが、中団につけたのは騎手の意思によるものであっても、今回はたまたま周りに馬がいなかったという最大の幸運がありました。馬群に入らず外を走り、前を行く馬や後続馬とそれほど近くはない位置は、馬も鞍上も肉体的・精神的負担を全く感じることなくスムーズな追走ができます。前を行く馬との間隔を少しでも広くすれば他馬に入ってこられるし、他馬に近づきすぎると馬が引っかかるおそれがある。
後続馬に突っつかれたり、揉まれて行き場がなくなるようなこともあります。今回のエピファネイアはそういうトラブルが皆無で、適度な距離を保ちつつレースを進められたおかげでリラックスした走りができたのでしょう。しかし、これは福永騎手の力だけで作った状況ではありません。このレースで鞍上ができることといえば外に出すために動くくらいで、それ以外は自然の成り行きであり、ゆえに“上手くいき過ぎた”レースだと感じました。

エピファネイアが(もまれたり詰まったりしなかったために)かかることなく楽々と走る姿を見て、成長して折り合いがつくようになったのだと安心した人も多いでしょうが、僕には、向正面でハミを噛んで行きたがる面が見られたことが気になりました。
2400mのレースをほど良いペースで進んでいたから問題ありませんでしたが、3000mに距離が伸びてペースが落ちるであろう菊花賞で、かからずに我慢できるかが不安要素。
エピファネイアが精神的に成長しているのであれば言うこと無しですが、その時に福永祐一騎手がどのようにして乗り越え、どのような騎乗をしてくれるのかがとても興味深いところです。

最後に、今回の騎乗で気になった点を1つ。
直線で先頭に立つときに、少し内にササリ気味だったようですが、あのまま外から鞭を使えばさらに内にササって乗りづらくなるうえ、後続馬がそばにいれば邪魔をすることにもなりかねません。
馬の手応えから、鞭を使ったり目一杯追ったりしなくとも勝てることは本人もよくわかっていて、実際に鞭も使わずに済みましたが、何が起こるかわからないのが競馬。即座に対処できるよう、前の馬を捕らえた瞬間に右手に鞭を持ち替えてほしかった。G1レースで厳しい戦いになったときには、こういう些細なことが結果を大きく変えてしまいます。
すでに心技体そろった一流ジョッキーではありますが、もっと緻密で繊細な騎乗を心がけて、それが無意識にできるようになればさらに頼もしく思います。彼なら必ずできるはず。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年9月22日 (日)

9月28・29日の注目馬情報

注目ランクB
大和田 厩舎
ナムラショウリ
※中山8-3R・3歳未勝利・ダ1800mに出走予定

取消明けで仕切り直しの前走。初のダート戦となったが、好位でスムーズに流れに乗り、2着と進境を見せた一戦だった。その後疲れが出てしまい、ここまで間が開いてしまったが、2週前から急ピッチに乗り込んで、調教でも良い動きを見せている。牡馬にしては小柄で力のいる良馬場になった時の課題はあるが、未勝利レベルならば押し切ってしまう可能性は十分ありそう。

注目ランクB
橋口 厩舎
レッドアリオン
※阪神9-11R・ポートアイランドS・芝1600m外に出走予定

陣営も勝ち負けを狙っていた前走が痛恨の出遅れでチン。ゴール前の脚勢を考えれば、まともなら…の思いは誰しもが持ったことだろう。その後は放牧に出されてリフレッシュ、8月末に帰厩して順調な調整が消化されている。世代トップクラスのマイラーとして、古馬相手でも引けないところ。ここはそのレース振りに注目したい。

注目ランクB
国枝 厩舎
ショウナンアチーヴ
※中山8-1R・2歳未勝利・芝1200mに出走予定

出遅れて追走に窮しながら、直線は目を引く伸び脚を見せて3着。たしかに人気は裏切ってしまったが、そのレース振りには見どころがあり、「慣れが見込める次走はさらに」と思わせた。鞍上戸崎は距離延長も進言したそうだが、血統を考えればもう一度1200mで見てみたいという厩舎の判断は正解と見る。2戦目でガラリ一変の走りもある。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年9月19日 (木)

色々な意味で楽しみになった本番。

大型台風襲来のため16日(月・祝日)の競馬が翌日に延期されたものの、無事、東西それぞれの競馬場で、最後の一冠をめざす3歳馬たちがレースを行うことができました。

阪神競馬場メインは、3着馬までが秋華賞優先出走権を得られるトライアル、第31回ローズステークス。1番人気は内田騎手騎乗のデニムアンドルビーです。
この馬はデビュー時から評価が高く、3戦目で初勝利を挙げて次走の重賞フローラSを制すとオークスでも1番人気に支持されましたが3着に敗れ、最後の一冠・秋華賞のタイトルは絶対に譲れない陣営にとっては、今回のローズSはとても大事な一戦でした。
当日の気配は抜群。プラス14キロの馬体重も成長によるもので、もちろん本番に向けて多少の余裕を残してはいますが太目感は全くなく、パドック周回での落ち着きを見ても状態の良さは際立っていました。順調に夏を越して充実の秋を迎えたことがわかります。
ただし、この日は台風の影響でかなり強い雨が降り、馬場状態は重の発表でした。
下(馬場)に戸惑ったのか風雨でやる気が削がれたのか、デニムアンドルビーはゲートが開いた後、前に進んでいこうとする様子が全然見られず位置取りは最後方から。もともと後ろから行く馬で道悪も苦にしないとはいえ、こういう雨で軟らかい走りにくい馬場では大抵が能力を出し切れずにレースを終えてしまいます。しかしこの馬は違いました。
直線に向き大外に出すと一完歩ごとに前との差を詰めていき、ゴール手前で先頭に立ち1着でゴールイン、とても強い内容です。
乗っていた騎手としては、スタートしてあの手応えでは一瞬の焦りと諦めの気持ちがわきますが、馬が行く気にならない以上あのポジションで我慢するしかありません。行かないからといって途中から徐々に上げていったり、早めに追い出したりしなかったのが良かったのかもしれません。最初から終いの脚に賭けてじっとしていた、あるいは仕掛けどころでも馬の反応が鈍かったのかは知りませんが、体力を消耗せずに進めて最後の最後に脚を爆発させた内田騎手の騎乗が結果的に勝利をよびました。
本当に強い馬だと思いますが、次走の秋華賞はこれまで経験したものとは全く違う京都内回り2000mが舞台となり、オークスの時もそうでしたがエンジンのかかりが遅めで直線が長いコースが合う感じなので、今回の走りを見るかぎり不安は少しあります。 秋華賞ではどんなレースをするのか、内田騎手の騎乗をじっくりと味わいたいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年9月17日 (火)

9月21・22日の注目馬情報

注目ランクB
加藤征 厩舎
ライズトゥフェイム
※中山7-8R・3歳上500万下・芝1800mに出走予定

2戦目で未勝利勝ちした後は放牧に出して一息入れて、500万の特別戦を予定していたが、蹄を痛めてしまい休養を余儀なくされてしまった。しかし、無理せず休ませた甲斐があり回復して、8月の下旬には既に美浦に入厩して調整を進めている。プールと坂路で脚元には細心の注意を払って順調な様子。前走で2着に下した相手は既に500万勝ち、この馬も500万で足踏みする器ではないハズ。鞍上は蛯名騎手の予定。

注目ランクMM
国枝 厩舎
マイネルスパイアー
※中山7-1R・2歳未勝利・ダ1800mに出走予定

デビュー時から鞍上の評価が極めて高かったこの馬だが、「決め手がないからダートの方がイイ」とは以前から言われていたこと。期待の大きさがゆえに2戦目も芝を使われたが、やはり個性は変わらず。今回はダート戦に矛先を向けて来た。当初の話を考えれば、まさかこのまま終わるはずがない逸材。ダート替わりで変身がありそうだ。

注目ランクMM
鈴木康 厩舎
スピーディユウマ
※中山7-12R・3歳上500万下・芝1200mに出走予定

鞍上・石橋脩がその素質に惚れ込み、普段は乗らない52キロでの騎乗を快諾したという話があった前走。結果的には大敗に終わったが、キャリアの浅い中で一気の距離延長が堪えたのだろう。素質の高さは疑いないだけに、再び短距離戦に使ってくる今回、見直しが必要になりそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年9月11日 (水)

苦い経験を次への糧に

先週は秋の中山競馬開幕を告げるレース、第58回京成杯オータムハンデが行われました。

注目を浴びたのは横山和騎手が手綱をとるルナ
横山和騎手はスタージョッキーの父親(横山典騎手)をもつため2011年のデビュー時より期待されましたが、2年目まではさほど目立った活躍はありませんでした。ところが3年目の今年は夏の函館でも好成績を残し、周囲の期待に応えるような成長ぶり。ルナとは、3歳時の昨年秋の福島で初めて騎乗して以降、抜群の相性を誇り、馬の本格化も手伝って今年は5度騎乗し4勝を挙げています。そして迎えたこのレースでは、ポンポンと勝ち進んできた順調さが評価されたのでしょう、ルナが重賞初挑戦ながら1番人気に支持されました。

おそらく初めて味わうであろうプレッシャーの中を、どうレースするのか、特にスタートに注目し見ていましたが出脚がつかず、逃げ馬としては拙いスタートになってしまいました。それでもとにかく逃げることしか頭になかったのか、押して押してどうにかハナに立てましたが、そこまでに脚をかなり使ったことと、先に行った外側のテイエムオオタカと競り合う形になりペースが速くなったことで、非常に不利な展開となりました。
新潟のようにスタートしてしばらく直線が続く、楽に先手を奪えるコースならまだしも、スタート後すぐに右側にコーナーがずっとあるトリッキーな中山の1600mコースでは、いかに素早く内に入るかが重要で、外にいたら振り回されてどんどん状況は悪くなっていきます。ルナのような逃げ馬には一瞬の反応の遅さは致命的で、本来ならポンと良いスタートを切り、すかさず内に寄せつつ先頭に立つのが理想です。
では、なぜスムーズなスタートが切れなかったのか。
「1800m~2000mでもおっつけていかないとハナを奪えない馬で、さらに流れが速いマイルは適距離ではない」とレース後に話していたことから、おそらくルナはスタート後にあまりハミを取って行くタイプではないのでしょう。また先手が取りにくいコース形態であることも、レース運びが上手くいかないかもしれないという横山和騎手の不安を煽る材料であったと思います。そして何より1番人気の重圧。
騎手の中に少しでも「負の気持ち」があると身体が硬くなって、その気持ちは手綱を通して馬に伝わります。馬は賢く敏感な動物で、乗馬初心者が背中に跨り指示を出しても馬はナメて言うことを聞かないし、乗れる人の手にかかるととても素直になり真面目に走ります。もちろんレースで競走馬に騎乗するのは、厳しい訓練を積み技術的に大差ない騎手たちですが、性格や経験の多少により乗り方は全く違うし、その時の騎手の精神状態も大きく影響します。鞍上がリラックスしていればすんなり出ていけるのに、絶対に行かなきゃいけないと気が逸ると、気持ちばかりが前に出て身体とチグハグになり馬のタイミングもずれてしまいます。これが出脚がつかなかった理由ではないでしょうか。
あと、その後に無理やりハナを奪いに行ったことも敗因のひとつだと思います。
先頭に立つことのみでペースは考えていないような暴走に見えて、あれは3番手以下で競馬をした騎手たちは心の中でラッキーと思ったはず。上手く逃げられたら面倒ですが、あの調子では勝手に潰れてくれて、自分に大きなチャンスが生まれるのですから。
スタートが悪かったからといって動かずに好位でおとなしく進めていれば良かったかと聞かれれば、それはわかりませんが、少なくとも10着という今回の着順よりも少しは上にいけたと思います。強引にハナに立って速いペースにしてしまうと馬のリズムは崩れ、スタミナの消耗も激しくなります。ゴールまでもつわけがありません。
まだ3年目の騎手に対して厳しい目で見てしまいましたが、横山典騎手の息子であることを自覚し努力を怠らない本人は敗因を一番わかっているでしょう。この経験はきっと次に生かされます。大レースで人気馬に騎乗し優勝する日が来ることを楽しみにしています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年9月 8日 (日)

9月14・15・16日の注目馬情報

注目ランクB
堀 厩舎
ワイピオバレー
※中山5-3R・3歳未勝利・ダ1800mに出走予定

素質は秘めるものの、気難しくてなかなか力を出し切れなかったこの馬だが、前走でようやくまともに流れに乗ることができた。敗れはしたものの、展開を考えれば間違いなく最強の競馬をしており、未勝利脱出にメドが立ったと見ていい。まだ上積みがある状況だけに、ここ最後の未勝利戦でさらにイイ走りを見せてくれそうだ。

注目ランクB
宮本 厩舎
ウインフルブルーム
※阪神3-9R・野路菊S・芝1800m外に出走予定

コレは西のブレーンから報告があった1頭。デビュー戦は騎乗停止で乗れなかったが、この中間も付きっ切りで稽古に乗っているように和田が期待している馬らしい。CWコースでいい動きを見せており、「メチャクチャ走るし、本当に具合がいい」と、パートナーの和田が絶賛していたそうだ。現時点での完成度が非常に高い馬。勝って賞金を加算しておきたいところだろう。

注目ランクMM
手塚 厩舎
マイネルグート
※中山3-11R・レインボーS・芝2000mに出走予定

前走後は放牧に出て今月頭に帰厩。乗り込みは十分とあって、緒戦から走れる仕上げにあるそうだ。戦績が地味だが、松岡の評価が意外に高い馬で、かつては全くの人気薄ながら「自信がある」と、実際に2着と結果を出したこともある。上がりの速い競馬は不向きのタイプだけに中山替わりは好材料。人気薄でも一考の余地がありそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013年9月 1日 (日)

9月7・8日の注目馬情報

注目ランクMM
高野 厩舎
グレイングロース
※阪神1-12R・3歳上500万下・ダ1200mに出走予定

本当はダート短距離を使いたかったものの、除外の可能性があると芝を試した前走が大敗。「芝がダメとは思わない」とはレース後の陣営だが、やはり走法を見る限り、現状はダートの方がいいのだろう。その後は放牧に出されてリフレッシュ。待望のダート戦出走が叶いそうな今回は真価発揮の公算大。前走の大敗を度外視して狙ってみたいところ。

注目ランクB
堀 厩舎
エパティック
※中山2-9R・木更津特別・芝1600mに出走予定

当初は先週の新潟戦を使う予定もあったところ、同厩舎のレイカーラに譲ってこの馬は中山開幕週へ。そのレイカーラがキッチリ勝ち上がっており、今度はこの馬の順番というわけだ。先週使わなかった背景には、「多少スクミが見られた」という事情もあったとのことで、最終的な状態を情報として仕入れなければならないが、まともならソロソロ勝ち上がり濃厚な存在だ。

注目ランクB
南井 厩舎
タマモショパン
※阪神2-4R・障害未勝利・ダ2970mに出走予定

障害入りして3戦、徐々にレース内容が良くなっているこの馬。厩舎精通の筋に言わせると「テンションの高さがネック」とのことだが、騎乗する熊沢に近い線に話を聞くと、「本人は『だいぶ大人になった。気にせんでいいよ』と自信を持っています」。その熊沢は開幕週の星勘定としてこの馬を挙げていたらしく、ソロソロ未勝利脱出の瞬間が訪れそうだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »