« 7月6・7日の注目馬情報 | トップページ | 7月13・14日の注目馬情報 »

2013年7月 3日 (水)

これぞベテランならでは好判断

夏の福島開催がスタートし、先週は3歳馬による重賞レース・第62回ラジオNIKKEI賞が行われました。
1着からシンガリまでの差が0.9秒以内と、公平な競馬ができるよう個々の成績や能力に合わせて斤量を課すハンデ戦らしい、とても見応えのあるレースでしたね。

道中からゴールまで、どの馬が勝ってもおかしくないほど白熱した戦い。馬群を抜け出し1着でゴール板を駆け抜けたのは伏兵、8番人気のケイアイチョウサンでした。
この馬はスタートで僅かに後手を踏み、後方からの競馬をしました。
騎手は当日のレースまでに様々なパターンの走りを思い描き、そのイメージに沿う形で騎乗できるよう努めています。しかしケイアイチョウサンの鞍上・横山典騎手はこのレース、はじめから後方でレースを進めるつもりではなかったと思います。たまたまゲートで出負けしてしまったものだから腹をくくって、最後方でじっと我慢し脚をためる作戦に切りかえたのでしょう。

スタートが切られた後の騎手は、レースが始まるまでの「思考」から「感覚」に移ります。思い描いたとおりの展開であればそうでもありませんが、例えば出負けした場合、それはほんの一瞬の出来事であり、また一瞬の判断の遅れがその後の走りに大きく影響するため「出遅れたから押していかなきゃ」「遅れたから後ろから行こうかな」などと考えて動いているわけではなく、出していったり控えたりするのは騎手の感覚に因るものが大きいと思います。考えるのではなく感じる。レースの流れを感じ、自分達がおかれている状況を感じ、そしてベストな走りをするために身体が即座に、敏感に応じてゆく。出遅れて、手綱をしごき追いかけるか、または後方からジワジワと行くか、さらには直線まで全く動かずにいるかなどの選択は、同じ騎手であっても騎乗馬やレース状況によって変わりますが、そうした判断は経験で磨かれる以外に、やはりその騎手の性格や感性が現れると思います。

福島競馬場は小回り。
騎手にはそのイメージが強く根付いているため、どうしても早仕掛けになりやすく、直線が短いこともあり、3コーナー、あるいは3コーナー手前から仕掛けだす光景が少なからず見られます。このラジオNIKKEI賞でも、3コーナーの手前から馬群は徐々に動き始めていましたね。そこから動いてしまうとゴールまで600m以上もの距離があります。これは東京競馬場に置き換えると、あの長い直線に向く前から動き出しているということになり、ゴールまで脚がもつとは考えられません。小回り&短い直線にとらわれてしまうのか、それとも集団心理なのか、とにかく自分だけ置いていかれるわけにいかないとばかりに動いていってしまうのでしょう。 横山典騎手は、皆が動いたときにも焦らずインで脚をためていました。 ただ、これは非常にリスクの高い乗り方でもあります。開幕週は馬場の内側も最高の状態で馬群が殺到し、そこを後方からインを突いていくのは一か八かの賭けで、進路が開けば鮮やかに差しきれるのですが、壁が立ちはだかったままであれば脚を残して負けてしまいます。結果、横山典騎手は勝負に勝ち、その判断は大正解です。度胸と冷静さが備わっているベテランならではの見事な騎乗でした。 注目馬ガイヤーズヴェルトはブービーの15着。 中団からレースを進めましたが外を回る位置取りで、道中少し気負っているように見えました。全く脚がたまらないまま仕掛けどころになってしまった感じで、1番人気馬としては見せ場がないレースぶり。今回がまだ5戦目とレース経験が少ないために、うまく流れに対応できなかったのかもしれません。今後、場数を踏んで精神的にも成長していけば、また良い走りを見せてくれると思います。

|

« 7月6・7日の注目馬情報 | トップページ | 7月13・14日の注目馬情報 »

レース回顧」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1466872/52294204

この記事へのトラックバック一覧です: これぞベテランならでは好判断:

« 7月6・7日の注目馬情報 | トップページ | 7月13・14日の注目馬情報 »