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2013年6月26日 (水)

馬を信じた強気の騎乗

夏のグランプリ、第54回宝塚記念が先週、阪神競馬場で行われました。
2011年の三冠馬オルフェーヴルが回避した上に出走馬11頭と少ない頭数でのレースとなりましたが、出走メンバーのレベルが高かったため物足りないとは感じませんでした。
今年の宝塚記念は3強対決と言われていました。昨年の三冠牝馬ジェンティルドンナ、クラシック二冠&グランプリを制したゴールドシップ、そして今年春の天皇賞で悲願のGⅠ優勝を果たしたフェノーメノ。この同世代3頭に人気が集中し、ジェンティルドンナが牡馬2頭をおさえ堂々の1番人気に支持されました。

そんな3強対決を制したのはゴールドシップ。
前走の春の天皇賞は、圧倒的1番人気を背負いながら、いつもの力強い追い込みが見られずまさかの5着に敗れてしまいました。前半は最後方で追走して力を温存し、後半に動き出してグングンまくっていく競馬がこの馬の持ち味なのですが、このときはテンションが影響したのか前半の遊び(余裕)がなく、最後のまくりが不発に終わりました。
今回は鞍上の内田騎手がどう乗るか、そこに最も注目していましたが、なんとスタートから出していき、好位4番手につけるレースを選びました。前走の敗因をふまえたレース運びだったのでしょうが、普段得意としている乗り方を大レースで変えてくるのはとても勇気がいることです。しかし内田騎手はジェンティルドンナの後ろにピタリとつけて狙い撃ちの態勢をとり、強気で攻めていく騎乗をしました。
前半から負担がかかるようなレースをして2着馬に3馬身1/2差をつけて勝つのだから、今回は完勝といえます。そして内田騎手の度胸ある騎乗も見事でした。

3着に敗れた1番人気馬ジェンティルドンナ。
終始3番手でレースを進めましたが、勝ち馬ゴールドシップにマークされる状況は苦しかったでしょう。鞍上の岩田騎手はかなりのプレッシャーだったと思います。
戦前、岩田騎手は「3強ではなく1強」(自分が乗るジェンティルドンナが最強)と強気な発言をしていました。馬を信頼しているからこその言葉であり、騎手としてはこのくらい自信をもってレースに臨むのはとても良いと思いますが、今回はこの言葉に縛られてしまったのでは。強気な発言で自らを追い込み、上手くいっていたこれまでのレースとは違う走りをしたように感じました。
勝ったゴールドシップも乗り方を変えてきましたが、それは前走を糧にしての騎乗であり、キレを武器とするジェンティルドンナの場合は、あの位置取りでは威力が半減してしまいます。おそらくレース前より「こう乗ろう」と決めていたのでしょう。ゲートが開くと大して抑える素振りもなく、馬の行く気に任せてポジションを取りにいったようでした。
レース前からテンションが高かったこと、馬場が渋っていてこの馬には合わない状態だったこと、そして位置取りが馬にとってベストではなかったこと。いくつか考えられる敗因の中で、この3つが大きく影響していたと思います。
力は間違いなく現役トップレベルであり、牡馬に混じっての古馬王道路線でも常に上位にこれるほどの馬。秋に向けて順調に過ごせるよう願っています。

3強最後の1頭フェノーメノは4着まで。
ゴールドシップとジェンティルドンナの2頭を見る形で追走し、申し分のない内容です。理想的な位置取りで競馬ができて、蛯名騎手は勝利への手応えをレース中に感じていたと思います。ただこの馬も軽い馬場の方が合っているため、この日の馬場状態では鋭い脚が使えなかったのでしょう。秋晴れの競馬場、大観衆の前でゴールを1着で駆け抜けてゆくために、今はしばしの休養を楽しんでほしいと思います。

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