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2013年4月

2013年4月24日 (水)

なかなかできない芸当でした。

先週メインは3歳牝馬のレース、フローラステークス。
上位3着までにオークスの優先出走権が与えられるこのレースを制したのは、ディープインパクト産駒デニムアンドルビーでした。2着にも同じくディープインパクト産駒のエバーブロッサムが入り、1、2番人気馬のワンツーという結果に終わりました。本当にディープインパクトの仔は走りますね。当然、現役時の成績が良いからこそ種牡馬としての需要が高いわけですが、しっかりと期待に応えているのが凄い。優秀な牝馬と配合されることが多いとはいえ、産駒には間違いなくその優れた能力が伝わっています。この先どれだけの活躍馬が出てくるのか楽しみです。

さて優勝したデニムアンドルビー。
道中は最後方で追走し、残り半マイルから仕掛けだして4コーナー入り口では先頭集団に取りつき、直線で父譲りの末脚を披露して鮮やかな差し切り勝ちを決めました。レース後、鞍上の内田騎手は位置取りについて質問されていましたが「距離が長いレースなので(道中の位置は)あまり気にしなかった」とのこと。サラッと答えていますが、こういう騎乗ができる騎手はそう多くないと思います。
重賞レースで1番人気馬に騎乗、それもクラシックレースの優先出走権が得られるかどうかというときに道中の位置が最後方では、騎手の心と騎乗に焦りが表れてもおかしくありません。昨年ゴールドシップに騎乗したときもそうでしたが、いくら馬の強さを信じていたとしても、あれだけ後方にいて全く焦りや不安が感じられないのは珍しい。いつでも彼は、馬が行かないのであればその位置で構わないという雰囲気で乗っています。ただし、ここが仕掛けるポイントだと思ったところでは、一気に加速し勝負に出ます。前半はレースに参加していないような空気が漂っているのに、後半は主導権を握ってしまう競馬。
後方で動かないこと、そして自力で動き出す(仕掛けだす)こと、ともにかなり度胸が要りますが、それができる内田騎手はさすがだと思います。
騎手が慌てずに落ち着いて騎乗し、馬に無駄な動きをさせない。そうして気負わずラクに走れた馬は、直線でしっかりと伸びてゆけるのです。デニムアンドルビーの力を上手に引き出す良い騎乗でした。

期待したイリュミナンス
道中は武豊騎手が上手く中団のインで我慢し、良い感じで進められていたと思いますが、追い出してからがいまひとつで、さっぱり伸びませんでした。多少もまれたことが響いたのかもしれません。力を出し切れずに終わったように見えて残念です。次走はこの馬らしいレースができることを願っています。

オークスはこのフローラSで1~3着に入った馬に期待したいところ。いずれも中団より後ろでレースをし、直線は素晴らしい脚を使いました。こういう脚は府中に合っているのでオークスでも好走してくれるのではないかと思います。

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2013年4月21日 (日)

4月27・28日の注目馬情報

注目ランクMM
堀 厩舎
インプロヴァイズ
※東京3-6R・3歳500万下・芝1800mに出走予定

未勝利勝ち直後に重賞3着の実績がある素質馬だが、実は、休養前は「気性的に怖いところがある」と、人気とは裏腹に感触のイイ話が入っていなかったという裏話があった。しかし、休養を挟んでガラリと良化。「馬が成長している感じで面白いと思います」とトーンの上がった前走で小差の競馬ができたことは価値がある。鞍上に戸崎を予定。キッチリ決める算段だ。

注目ランクMM
大江原 厩舎
モンプレジール
※東京4-5R・3歳未勝利・芝1800mに出走予定

10番人気と人気薄の前走だったが、外から追い込んで3着と高配当を演出。以前から調教での動きは目を引くものがあり、『未勝利なら勝つ力は持っている』という評価は厩舎内にあった。「脚質から東京コースは良いと思うし、距離ももっと短い方が良いでしょう」との鞍上からの助言があり、前走の2000mから更に距離短縮となる1800mに出走を予定している。

注目ランクB
相沢 厩舎
ネロディアマンテ
※東京4-6R・3歳500万下・芝1400mに出走予定

デビュー当初から高い評価をお伝えしている1頭。なかなか軌道に乗れないが、桜花賞に間に合わなかったこともあり、ようやく適距離たる短距離戦に矛先を向けてきた。能力はかなり秘めており、「(同厩舎の)アイスフォーリスくらいのモノは持っている」という話も。この条件なら牡馬相手でも勝ち負けに持ち込めるはずだ。

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2013年4月17日 (水)

ハイレベルな上位争いを制したものとは?

先週は第73回皐月賞が行われました。
牡馬クラシック、はじめの一冠を制したのはミルコ・デムーロ騎手騎乗の1番人気ロゴタイプ。1~4着までが人気通りの決着となりました。

上位人気馬3頭の実力が拮抗していた今回のレースは、何が勝ってもおかしくはありませんでした。その中でなぜロゴタイプが勝てたのか。
それはやはり騎手の腕ではないでしょうか。
もちろん福永騎手(2着エピファネイア)や横山典騎手(3着コディーノ)の技術が未熟だとか、下手な乗り方をしたわけではありません。ただ、上の3頭はスタート後に中団前目につけ、ほぼ同じような位置取りでレースを進めていたのですが、馬がリラックスした状態で追走できたのはロゴタイプだけでした。
コディーノは向正面までひたすらハミを噛み、気負いながら走っていたように見えましたし、エピファネイアは14番枠と外寄りだったために終始外を回り、前に壁を作ることもできずコディーノ以上に力んだ様子でハミを噛みっぱなしでした。この道中の差が最後の伸び脚に響いたのでしょうが、その差を生み出したのがデムーロ騎手の腕です。位置取りの速さ、外へ出していく判断や仕掛けのタイミングも見事でしたが、これはあの場にいる、ある程度経験を重ねた騎手であればできることで、それよりも動きの一つ一つがとにかく巧い。3~4コーナーあたりまで内で脚を溜めて、人気馬3頭のうち2頭が外から仕掛け出した瞬間にその外へ出していったその「馬の出し方」が本当に無理なく無駄もなく、いつの間に外へ出してきていたのか一瞬わからないほど自然な動きでした。天性の才能あってこその技術の高さだと思いました。
しかし日本人騎手も負けてはいません。横山典騎手は、前半にそんな(掛かり気味で多少の消耗があった)状態で走っていたコディーノが最後の直線で思うような脚を使えないのではないかと考えたのでしょう、追い出しのタイミングをできる限り伸ばしていましたね。こういう判断はやはり一流ジョッキーですね。

今回の皐月賞は、ダービーに直結する内容といえます。
ロゴタイプは父ローエングリンとは少しタイプが違い、素直で乗りやすそうで、何といっても折り合いに苦労せずにすむのが強み。また、タフさが要求されるダービーの2400mは底力がないと勝つことができませんが、この馬は展開にあまり左右されずに全能力を出し切ることができるので凡走はまず無いと思います。現時点での完成度や能力のバランスなどから、やはりロゴタイプがダービー馬の最有力候補でしょう。
巻き返すことができるとしたらエピファネイア。問題はただひとつ、皐月賞よりもさらに距離が400m伸びるレースで折り合えるかどうか。そこを克服できれば、最後の直線で世代最強と呼ばれるにふさわしい伸び脚を見せてくれるのではないでしょうか。
あとは皐月賞で4着に入ったカミノタサハラ。仕掛けどころでモタつく場面があり、小回りの中山競馬場では少々分が悪かったような気がします。折り合いに関しては何の問題も無い馬なので、東京競馬場の長い直線なら、早めの追い出しによりこの馬の良さが出ると期待しています。

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2013年4月14日 (日)

4月20・21日の注目馬情報

注目ランクMM
堀 厩舎
バクシンテイオー
※福島5-10R・伏拝特別・芝1200mに出走予定

前走は1番人気を大きく裏切る大敗。しかし、元々牝馬のように繊細な面を持ち合わせている馬で、どうやら緩い馬場を気にして走りに集中できなかったようだ。陣営もすぐに気持ちを切り替えてリフレッシュさせ、このレースから復帰を決定。厩舎精通の筋によれば「この馬なりに確実に良くなっている」との報告。一変しても何ら不思議はない。なお、鞍上には内田博を予定しているとのこと。

注目ランクMM
蛯名 厩舎
トシスプリング
※東京2-6R・3歳500万下・ダ1400mに出走予定

前走で未勝利勝ちを果たし、先週の福島で芝を試すつもりだったのだがあえなく除外。「距離が延びる事はプラスではありませんが、いずれはマイルくらいまで対応できる様に育てたいですね。先々は芝も走らせたいと思っています」とは厩舎サイドの話である。引き続きダート戦出走となる今回。昇級戦で牡馬相手と、条件は決して楽ではないものの、デキは前走より更に上向いているらしい。

注目ランクB
藤岡健 厩舎
ミニョネット
※京都1-3R・3歳未勝利牝・芝1600m内に出走予定

デビュー戦でも取り上げた厩舎の期待馬。負けられない意気込みで臨んだその初戦は、不利も堪えて2着惜敗。内容は決して悪くなかったのだが、勝てると踏んでいただけに陣営も相当悔しかったそうだ。その後は、京都の開幕週であるココを目標にキッチリ仕上げられてきたとのこと。今度こその意気込みで臨む一戦だ。

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2013年4月10日 (水)

この勝利は共同作業!

まだ冷える日も多い3月が過ぎ、4月に入り春を実感するようになると、日本人には昔から入学や就職など年度替りの意識が根付いているためか、元日とはまた違う「始まりの季節」に胸を膨らませる人が多いでしょう。競馬も同じで、金杯から始まり毎週行われているとはいえ、クラシックをはじめとする春のGⅠシーズン突入のこの時期は何となく新鮮で、浮き立つ気分になりますよね。

毎年その口火を切るのが、阪神競馬場で行われる3歳牝馬のレース、桜花賞。
出走メンバー中で抜けた力や実績をもつ馬がいる場合は1強・一騎打ち・3強などと表しますが、今回は力が拮抗しそのような1~3頭を選ぶのが難しく、激戦が予想されました。
優勝は7番人気アユサン。新馬戦以来の勝利をこの大舞台であげました。
ひと昔前に桜花賞ペースと呼ばれた独特の速い流れはここ数年見られず、今回も速すぎず遅すぎずといった感じで、前方・中団・後方どの馬にも勝つチャンスがあるペースだったと思いますが、上位に入着したのはいずれも中団あるいは後方からレースを進めていた馬でした。低気圧の影響で前日からの強風は依然止まず、まだ若く繊細な牝馬にとっては過酷な状況でのレース。レース前半に前に壁を作れなかった馬は強い風を受けて走ることで体力を奪われたのか、直線に入ってバテてしまった様子でした。
アユサンはスタートそのものが良かったこともあり少し行きたがる素振りを見せたものの、鞍上のC.デムーロ騎手が中団まで下げてじっと我慢させ、上手くなだめながら進めていました。落馬負傷した丸山騎手に替わり急遽アユサンに騎乗することになったC.デムーロ騎手が「直線まで我慢し脚を十分に溜めてから追い出す」との丸山騎手のアドバイスを胸に刻んでその通りの乗り方をした結果がこの勝利です。
丸山騎手はアユサンの性格やクセ、脚質から最善と思われる戦法をデムーロ騎手に余すことなく伝え、馬と自分の想い全てを託しました。騎手であれば、丸山騎手の悔しさはわかります。自分の未熟さ(落馬負傷)への嫌悪感も相当でしょう。頭の中で渦巻く様々な感情をこらえ、馬のために的確な助言をしたクリーンさが印象的でした。デムーロ騎手の腕もさすがで、アユサンの脚を最大限に生かす騎乗をして丸山騎手の想いに応えました。
今年の桜花賞はこの2人が勝利騎手、そう僕は思います。

注目していたトーセンソレイユ
スタートで立ち遅れ、中団につけるのに脚を使ってしまったのか、4コーナーを回るところでは手応えもあやしくいっぱいいっぱいの様子でした。全体的に少しチグハグな競馬になってしまった感じです。7着に終わりましたが、今回のレースぶりがこの馬の実力ではありません。次走は能力が存分に発揮されることを期待しています。

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2013年4月 7日 (日)

4月13・14日の注目馬情報

注目ランクB
松田国 厩舎
ブロードソード
※阪神7-6R・3歳500万下・ダ1800mに出走予定

当初は、今週出走を予定していたのだが、同馬主のクリソライトとの使い分けで1週スライド、仕切り直して2勝目を狙う。数々の名馬を担当した腕利き厩務員をして、「ダートならかなりの出世が見込める馬」と言わしめる好素材。もう足踏みはできないところだろう。鞍上はシュタルケを予定しているが、先のクリソライトとの使い分けの背景に、この乗り役サイドからの進言もあったとのこと。クリソライトを勝たせた以上、コチラも勝たせないわけにはいくまい。

注目ランクMM
奥平 厩舎
アキレスバイオ
※中山7-5R・3歳未勝利・芝2200mに出走予定

一叩きされた前走で勝ち馬と僅差の3着と地力を証明。ダートで未勝利脱出が見えて来たところだが、レース後に蛯名騎手から「もう一度芝を試したらとうか」との進言があり、次走は久々に芝を使うようだ。「力の要るダートより軽いダートが合うくらいだし、切れないので距離は長い方が良いだろう」との見解。スタミナ勝負に持ち込み、待望の初勝利を掴みたいところだ。

注目ランクB
野中 厩舎
デザートオアシス
※阪神7-12R・4歳上1000万下・ダ1400mに出走予定

調教師は芝適性に自信を持っており、初芝だった前走もかなり期待していたようだが、休み明けの影響もあって失速に終わってしまった。あの一戦だけでは何とも言えないところだが、厩舎サイドは流れを取り戻す意味もあって実績のあるダート戻しを決めたとのこと。まだ底を見せていない逸材。一度使った上積みも考えれば、アッサリの可能性まである。

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2013年4月 4日 (木)

独特の感性が呼び込んだ勝利

先週の中山競馬メインは第45回ダービー卿CT。松岡騎手騎乗の5番人気トウケイヘイローが重賞初勝利を挙げました。もともと朝日杯FS4着、シンザン記念4着など重賞でも好走していたこの馬、春まではなかなか勝利に手が届きませんでしたが夏を境に本格化したようで、新潟の条件戦では2戦続けて連に絡み、その後7ヶ月の休養を入れると、前走の1600万下レースを快勝。そして挑戦した1年ぶりの重賞である今回のダービー卿CTで、見事その能力の高さを見せつける走りをしてくれました。
好スタートから2番手につけ追走、その後も楽な手応えでレースが進められました。直線で早めの先頭に立ったところでは、道中のラップが速かっただけにバテるかと思いながら観ていましたが、追い込んでくる馬の追撃を許さずそのまま先頭でゴール。
この松岡騎手の騎乗が今回のポイントでしょう。
“仕掛けどころ”とは、いつ、どこで仕掛けるのが正解ということがありませんが、ペースによってある程度はこの辺りが適当だと騎手が感じる場所があります。それはコース形態やレースの流れなど、多くの騎手が長年の経験で得たもので、人によってそう大きな違いは無いはずですが、今回の松岡騎手の仕掛けは、その「定石」からは外れていたように思います。決して否定や非難の意味ではなく、むしろ逆で、彼の感性とそれを信じ行動に移す思い切りの良さは見ていてとても気持ちの良いものでした。
競馬というものは生き物であり、どうしようか考えている間にもレースはどんどん進んでいくので、騎手の一瞬の迷い・ためらいが命取り。ですから騎手は「ここだ」と思ったその時にはすでに行動に移し、少しでも上の着順を狙いにいく貪欲な姿勢が不可欠だと思います。松岡騎手の判断力と行動力が、今回の勝利を呼び込んだのは間違いありません。

1番人気ダイワマッジョーレは惜しい2着。
スタートで出負けし、思っていたような位置が取れずに終始もまれる形で窮屈そうに走っていました。その所為か、ペースが上がったときに反応が遅くもたついていました。最後の脚はかなり見どころがありましたが、押して押して、坂を上がったあたりからエンジンがようやく点火されたようにも見えました。おそらく小回りの競馬場よりも府中や新潟の長い直線で活きるタイプではないかと思います。

注目していたホーカーテンペストはいつものように後方からの競馬。
3~4コーナーあたりの反応は抜群に見えたものの追い出してからは案外で、これまで4戦3勝と中山マイル実績十分のこの馬が今回は上位争いに加わることができませんでした。
確かにこのトリッキーなコースは、毎回毎回後方から追い込んで届くほど簡単なものではないのですが、当然そんなことは承知している鞍上・横山典騎手が馬の強さだけに頼るわけがなく、外を回らないように細心の注意を払い馬の脚をためる、文句なしの騎乗をしていました。ペース的にもホーカーテンペストに向いていたはず。それでも末脚は不発なのだから、競馬って本当に難しいですね。

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