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2013年3月28日 (木)

完勝は馬の力だけではできなかったこと。

先週は中京競馬場で第43回高松宮記念が行われました。
優勝はロードカナロア。単勝1.3倍という圧倒的な人気を背に、2着馬に1馬身1/4差をつける完勝で、短距離王者の力を見せつけました。
スタートこそ出負けしたものの、鞍上の岩田騎手は焦らず中団待機。ロードカナロアは鞍上の指示を待ってその場で我慢できるところが強みで、じっと我慢を重ね、そして溜めた分だけ最後に伸びてくれます。切れ味など地力があるのはもちろんですが、強い馬が持つこの「賢さ」こそがロードカナロアの一番の武器です。
騎手にとっては安心して手綱をとることができる一流馬だと思います。

岩田騎手の活躍については今さら語る必要がありませんが、トップレベルの競走馬に乗り慣れている彼は「強い馬の力」というものを知っているために、レースで少々の不利があったとしても焦りを全く感じさせない騎乗をしますね。
大舞台での騎乗経験が少ない騎手や、プレッシャーに弱く緊張しやすい騎手などはGⅠレースで単勝1.3倍の馬に乗ろうものなら、身体も頭もガチガチになってしまいます。どんなベテラン騎手でも緊張はしますが、この場合、それとはまた違うタイプのもので、ちょっとしたことが引き金となってテンパってしまい、軽いパニック状態に陥る恐れがあります。もし出負けでもしようものなら、慌てて手綱をしごき、自分の理想とするポジションまで無理に上げていこうとするでしょう。そして馬のリズムを狂わせてしまい、お互いの意思の疎通もうまくいかないまま、直線の伸びを欠いて勝ちきれずに終わることも。
その点、岩田騎手は百戦錬磨のつわもの。もともと肝が据わっているからこそこれだけの実績をあげてきたのでしょうが、その性格に多くの経験が加わったおかげで、どんな状況になっても対応が早く、スムーズなレース運びができます。
24日の中京競馬全12Rの優勝騎手を見ると、岩田騎手が5勝、今月JRAに移籍したばかりの戸崎騎手が4勝、武豊騎手が2勝、そして川田騎手の1勝と、たった4人の騎手しか勝っていません。戸崎騎手もかなり近いうちに、岩田騎手のように人気馬に騎乗しGⅠレースを勝ちまくることになりそうですが、この2人の勢いに負けずに他の騎手が奮起してくれることも期待しています。

2着馬は2番人気ドリームバレンチノ
鞍上の松山騎手は、ロードカナロア(6枠11番)の1つ外側の枠(6枠12番)を生かし、これを見る位置で騎乗していました。大本命馬が隣の場合、その後ろでジッとしていられる利点があります。どの馬も目標としているロードカナロアを最も自然な形でマークできるので、他馬の動きを気にする必要がなく、楽にレースを進められます。松山騎手にとっては非常に乗りやすいレースで、3着馬とは僅かハナ差でしたが、2番人気馬に跨る騎手として最低限の仕事はできたでしょう。
1つだけ、まだまだ若いと感じた乗り方がありました。
それは4コーナーから直線へ向かうとき。内側にいる馬をもう少し締めていってコーナーを回るようにすれば、ロードカナロアの進路はあれほどポッカリと空くことは無かったのかもしれません。自分の馬の能力を最大限に引き出し勝たせること以外に、「強い馬に楽な競馬をさせない」というのも騎手には求められます。アンフェアな騎乗という意味ではなく、あくまで戦法として、周囲の動きを見て瞬時にどうしたらどうなるかを予測し、動く。
強い馬が楽な競馬をさせてもらえない=自分の騎乗馬にもプラスになるので、若い騎手はそういうことを常に考えながら騎乗して、次につなげてほしいと思います。

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