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2012年12月 6日 (木)

辛い時期を耐えたからこそ…

2012年の競馬開催も、あと3週間を残すところとなりました。
競馬の世界は1週間単位の規則的な繰り返し。長年競馬に携わり、そういう生活を続けていると1年があっという間に過ぎてゆきますね。
先週は阪神競馬場で、第13回ジャパンカップダートが行われました。
優勝は、好位追走から直線抜け出したニホンピロアワーズ
鞍上の酒井学騎手と人馬ともに嬉しいGⅠ初勝利を飾りました。
勝因はスタート直後の位置取りにあったと思います。
16頭立て14番枠と外側だったので、もしもスタートで普通に馬を出していき、「できれば好位または中団にいられれば良いかな」などと甘く考えて騎乗していたなら、1コーナーで内に入ることはできず外を回され、中団追走になっていたでしょう。酒井騎手はそうなることを嫌ったのか好スタートから少し仕掛けていき、1コーナーで内側3番手の位置を確保。馬にとってもラクな、砂をかぶらない場所で追走することができて、とてもスムーズな競馬でした。
逃げて速い流れをつくった2番人気馬エスポワールシチーですが、あまり息が入らず、馬が気負っているように見えました。その後ろにいたニホンピロアワーズは、エスポワールシチーとは対照的なのびやかな走りで、4コーナーを回り直線に入っても他馬とは手応えが全く違い、持ったまま。「いつ追い出すか」騎手がじっくり考える余裕すら感じられました。
レースの流れがハマったこともありますが、もともとニホンピロアワーズの能力の高さは成績からも証明済みで、それに加え今回はかなり調子が良かったのではないでしょうか。
酒井騎手はデビューから15年目のベテラン。1年目に25勝を挙げて順調なスタートでしたが、4年目、減量がなくなって以降は成績が下降し、騎手として辛い時期が数年間ありました。それでも真面目に、誠実に騎乗を重ね、ニホンピロレーシングの1頭の馬との出会いから現在の成績まで盛り返しました。
僕も経験したことですが、成績がふるわず引退を考える時期が多くの騎手にはやってきます。しかし、そのときの何かキッカケひとつで、人生は大きく変わります。それは1頭の馬や1人の馬主さんとの出会いかも、または調教師や先輩騎手のひと言かもしれない。
現在、成績が思うように伸びず悩んでいる騎手は、不遇と嘆くよりも、今回の酒井騎手の勝利を励みに、人との縁を大事にして頑張ってほしいと思います。

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