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2012年9月12日 (水)

京成杯AHのレース回顧

秋の中山競馬が開幕しました。
4月半ばから4ヶ月以上ものあいだ競馬開催が無かったため、春から夏にかけてすくすくと育った芝は最高の状態。フカフカでまさに緑のじゅうたんです。
昔から、9月の中山はこのように状態が良く、いかにも速い時計が出そうな馬場でしたが、先週のメインレース・京成杯オータムハンデのタイムにはさすがに度肝を抜かれました。
優勝したレオアクティブの勝ち時計は1分30秒07の日本レコード。サラブレッドがマイル戦を1分30秒台で走破するなど考えられませんでした。1999年、改修前の新潟(僕もモンレーブという馬で出走していた関屋記念)でリワードニンファが1分31秒06の世界レコードとなる数字をたたき出したときも、まさか32秒を切る馬が出てくるとは…と驚きましたが、今回はそのとき以上に衝撃的な時計です。
より速く、より強くと生産者が試行錯誤し誕生する競走馬。馬場保全委員の方々が開催に備え、一生懸命に整備し改良を重ねてきた美しい馬場。そしてトレセン関係者が取り入れてきた最新の設備やトレーニング法、医療。たった10年、20年の間にこれほどのタイムが出せるほど日本競馬が進化したのは、競馬に携わる多くの人たちのおかげでしょう。

さてレース、レオアクティブの鞍上・横山典騎手がまたまた魅せてくれました。
先々週土曜日の札幌2歳S(コディーノ)、日曜日の新潟記念(タッチミーノット)、そして今回ととにかく「上手い」のひと言です。
中団よりやや後方に位置し、じっと動かない。手応えはかなり良かったはずなので、普通の騎手なら3コーナーあたりから前との距離を詰めるために少しずつ動かしていったり、もし内側が詰まりそうなら隙を見つけて早めに外へ出しておくなどするものですが、彼は微動だにしません。一か八かのイン狙いに決め、脚をためるだけためて、まるで獲物を狙う獣のように静かにチャンスをうかがっていました。これは胆が据わっていないとできない乗り方で、プレッシャーや焦りがすぐに表れるような騎手は、耐えられずに動いてしまいます。同じ騎手だったからこそわかる、彼の凄さ。その上手さに嫉妬すら覚えます。
その昔、千代の富士という力士が、全盛期には憎らしいほどの強さを誇っていましたが、最近の横山典騎手もそんな感じですね。

当日の情報でもお伝えしていると思いますが、今回は陣営の勝負度合いも非常に高かったですね。世間的には混戦重賞という評判だったようですが、前走で手綱を取った蛯名騎手も絶賛(今回、乗れないことをかなり悔やんでいたようです)しており、僕たちの間では「勝つのはこの馬だろう」という話で盛り上がっていました。
また、2着スマイルジャックに関しても、前走あたりから復調しているという話がアチコチで出ていたんです。一時は完全に終わってしまったかと思われていましたが、ココに来てイイ頃の動きを取り戻していました。今回あたり勝負を賭けるというウワサでしたが、12キロ減とキッチリ絞った馬体に、陣営の勝負度合いが見て取れました。納得の2着でしたね。

一方、阪神ではセントウルSが行われ、G1スプリンターズSを目標にする馬が集まりました。
1番人気は実績抜群ロードカナロア。レースぶりは安定していて、取りこぼしは無いと思わせる馬です。じつに乗りやすそうな雰囲気を持っていますね。少し早仕掛けで2着に敗れましたが、次のスプリンターズSでも当然1番人気に推されるでしょうし、きっちりと決めて期待に応えてくれるのではないでしょうか。
優勝したエピセアローム。計ったように差し切る、これぞ武豊騎手という勝ち方を観て、とても嬉しくなりました。今年の重賞勝利が今回で2度目というのには少し驚きましたが、トップ騎手としての使命や自覚を常に持ち続け、長年競馬界を支えてくれた彼には、もう記録や成績を求める必要はありませんね。身体を第一に考えてもらい、名手らしい上質な騎乗をいつまでも見せてくれること。それだけが願いです。
本番へ向けてという点で注目したいのはカレンチャン。今回は、レース前の段階で厩舎サイドが「今回はロードが上に来ると思う」と話しており、実際、その通りの結果となりました。しかし、マジンプロスパーを積極的に潰しに行った競馬は、明らかに次走を見越していたように見えました。これを使ってグッとレースに向けて気持ちが乗ってくることが予想されます。今回も負けて強しの競馬。昨年同様、本番でキッチリ変わってくる、そんな印象を持ちました。

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