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2012年7月18日 (水)

函館記念のレース回顧

夏の始まりを告げる北海道シリーズ、その前半戦である函館開催が最終週を迎え、最終日の15日は、数々の名馬が優勝した伝統のレース・函館記念が行われました。最近は七夕賞に続くサマー2000シリーズ第2戦として定着してきました。

優勝は4番人気トランスワープ
鞍上の大野騎手は「もっと前々で競馬をしようと考えていた」とレース後に語りました。逃げたレースで勝ったり2~3番手の競馬で好走を続けてきた馬なので、当然そのように乗るつもりだったのでしょうが、今回はやはり重賞(トランスワープは重賞初出走)ということもあり他の馬も速く、自然と中団よりやや後ろの位置になってしまいました。自分がイメージしていた位置取りができなかったためか「少し焦った」とのことですが、その後の騎乗には全く動揺した雰囲気などは見られず、落ち着いていましたね。

確かに競走馬には、ペースなど関係なくとにかく逃げて持ち味が出せるタイプや、逆に後方にいて脚をためるだけためて最後の直線で爆発するタイプなど個性的な馬はいますが、レースのペース次第でいくらでも展開は変わるので、どの位置にいようがあまり関係ないと僕は思います。大事なのは、余計な動きをせずにロスの無い騎乗を心がけて、不利も受けることなく、仕掛けどころまでいかに脚をためていられるかどうか。
トランスワープは2枠3番という枠も良く、道中は内側を進んでロスの無いコース取りができました。また、焦らずにどっしりと構えた大野騎手の騎乗により、脚を十分にためることができたことで最後の素晴らしい伸びが生まれました。直線に向いてからの外へ出す動きも非常にスムーズで、技術の高さが感じられます。本当に良い騎乗でした。

さて今週は新潟競馬場でアイビスサマーダッシュがあります。
日本で唯一の直線レースが始まり、もう11年が過ぎました。それまでは、どれほど短い距離のレースでも3~4コーナーはあって、後ろから行けば前の馬が邪魔であったり外を回して距離ロスが出たりと、短距離ゆえの難しさを騎乗するたびに感じていたものです。
この直線1000mのコース新設以降は前を行く馬が気にならず、挟まれることも少なくなって、馬の本来の力を出し切る真のスピード競馬ができるようになりました。とてもシンプルで騎手にとって最も乗りやすいレースだと思います。ただ、どのレースでもそうなのですが、特に直線レースではスタートの僅かな差が命取りになるので、馬をゲートから出すことに全神経を集中させます。
僕は、直線レースが始まって何週か経った頃から自分なりのコツを掴み、直線以外のレース時とは違うやり方でスタートしていました。いつもとは違う手綱の長さ、こぶしの位置、そしてスタートが切られた瞬間の手の動き。これらを実行することで馬に全く負担がかからずにダッシュがつくのです。同じようにする騎手は、まだ見たことがありませんね。誰かに伝えておけばよかったかなと思います。

毎年アイビスサマーダッシュが近づくと「今年こそカルストンライトオの持つレコードタイムが破られるのではないか」と少々ドキドキします。梅雨時期に行われていたこのレース、今年は1週遅くなり良い馬場状態で迎えられそうで、そろそろ本当にレコードを更新されるかもしれません。やはり一人の騎手として名が残るのは名誉であり、それができるだけ長く続いてくれることを願ってしまいますけどね。

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