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2012年6月13日 (水)

先週の重賞レース回顧

東京競馬の開催を終える頃になると、美浦トレセン周辺には何となくひと区切りついた空気が感じられます。周囲の2~3歳馬たちがレースに向けて本格的に動き出したり、春に活躍した馬が休養で北海道へと発ったり。夏競馬の始まりを実感します。

先週は、東京競馬のフィナーレを飾る重賞・第29回エプソムカップが行われました。
超良血トーセンレーヴと好調ダノンシャークが人気を分け合う形のレース、やはりこの2頭が抜け出し、人気と同じく僅差の決着となりました。重賞初勝利のトーセンレーヴですが、重賞以外のレースではOP3勝を含む5戦5勝、すでに能力は一線級。母ビワハイジの素晴らしい産駒実績からも、あとはいつ勝つのかだけが注目されていました。

レースではスタートが良かったためか、掛かり気味に追走することになり、見た限りでは折り合いをつけるのに少し時間がかかっていました。この時点で、トーセンレーヴが勝つのはちょっと厳しいと僕は考えてしまいましたが、2、3番手のポジションでそのまま直線へと向かうと、早めの仕掛けで先頭に立ち、押し切ってゴール。
前半から掛かり気味で、なかなか落ち着かなかった馬を、よくゴールまで脚をもたせられるものだと思います。騎手だった僕でも、ウィリアムズ騎手の騎乗には驚かされますね。

そういえば、今までにも度々、こんな光景を目にしていました。
鞍上のウィリアムズ騎手が前めの位置を積極的に取りにいき、最後は前をしっかりと捕らえてゴールするという、そんなレースを。常識的に考えて、直線でバテて着外になってしまうような展開。
なぜ彼が騎乗することで、馬が脚を止めずに最後まで走りぬくことができるのでしょうか。思うに、馬に対する「あたりの柔らかさ」が理由かもしれません。
「あたり」が硬いと、馬は不快に感じて、当然走りにも影響します。掛かっている馬を力任せに引っ張るのではなく、手綱を引いて抑えつつも馬とケンカしない絶妙なポイントをつかんで乗ることが大事。この感覚は口で説明することはとても難しく、騎手同士でないと理解できないでしょうが、ウィリアムズ騎手はその感覚が人一倍優れているのだと思います。騎手に必要な感性、そしてその感性を騎乗に反映させるための高い身体能力や精神力。それらが彼の騎乗技術として発揮され、馬の走りに現れるのではないでしょうか。

こうしたものは天性の部分が大きいとは思いますが、同じ「騎手」。
見て、学んで、言い方は悪いですが盗めるところも多くあるはずで、それを自分のものとして消化することにより、さらなる進化が期待できそうな気がします。
自分のスタイルが確立されているベテラン騎手はともかく、若手の騎手は見たり取り入れたり、柔軟な姿勢で色々と試すのもよいかもしれません。

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