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2012年5月 9日 (水)

NHKマイルカップのレース回顧

ゴールデンウィーク最終日の東京競馬場で、第17回NHKマイルカップが行われました。
単勝1番人気は秋山騎手騎乗のカレンブラックヒル
好スタートで弾みがつくと、そのまま逃げに出ました。確かに新馬戦では逃げ切り勝ちをおさめましたが、それは(他馬との能力差が大きいために力で押しきれる)2歳の素質馬にはよくあることで、現に、新馬戦以降は好位につけて抜け出すレース運びをして勝ち上がってきました。いくら他にこれという逃げ馬がいなかったとはいえ、まさか1番人気のこの馬が行くとは予想していなかったので少し驚きました。
大事に乗り育てたい3歳のこの時期の、しかもGⅠレース。
常識的には、前走のニュージーランドTで快勝したイメージを壊したくないと考えるものです。良い勝ち方をした後は、わざわざ戦法を変えて冒険する必要が無いし、また違う競馬をすると、せっかくの良いリズムが崩されるおそれがあります。
ですが秋山騎手の意志をしっかりと持った乗り方を見ると、最初からハナに行くことを決めていたように思います。もともと騎手の適性として「肝が据わっている」「冷静な思考力」「判断の速さとそれに即対応できる身体能力」は最低限必要であり、それらを満たしていない騎手はいないと思いますが、それでも今回の秋山騎手の度胸は素晴らしい。他の騎手全て、彼の思い切った策にハメられた印象です。
レースでは、本命馬が他の騎手の標的になるため、今回みたいに逃げられた場合は後ろに付くしかありません。当然競りかけてくる馬はいませんから、ペースはスローになり、カレンブラックヒルの狙い通り。折り合い良く脚をタメて逃げることができ、それがあの伸び脚につながりました。

秋山騎手はデビュー12年目で初めてのGⅠ制覇、それも他馬のしくじり等ではなく、自ら作ったレースをして掴んだ勝利ですから、本当に嬉しいでしょう。元々騎乗技術が確かで、毎年成績が良い騎手です。爽やかで穏やかそうな性格も人に好かれるでしょう。これからもさらなる活躍を期待しています。

2着には2歳王者アルフレード。前走スプリングSでは道悪に泣かされ12着大敗でしましたが、今回は好位に付け、直線では非常に力強く伸びてきました。力を見せる走りが出来たので、自信をもって次に迎えることと思います。

注目していたマウントシャスタは進路妨害により失格となりました。
直線に向き、前が壁になっている状態の時は、モタモタして一瞬でも行動が遅くなると命取りになるため、必死で考え自分の進路を探し出し、見つけたら素早く入っていきます。
騎手は誰でもこうした感覚で騎乗しており、岩田騎手も、はじめは外に出そうとしたようですが行ける場所が見つからず、すぐに内へと切り換えました。ただ目の前が開いたのならともかく、斜め前となると、自分が斜行するということ。斜行する場合には、最後方にいない限り誰かが後ろにいるわけですから、それを常に頭に入れて動かないといけません。
レース中の騎手は(前の馬が後ろにいる自分に気づかず危なそうな時に注意を促したり)お互いに声を掛け合うことがありますが、今回も、被害を受けた後藤騎手は当然、岩田騎手に向かって声を出していたと思います。にもかかわらず、あのような事態になってしまったのは、内に行くと決めた岩田騎手の騎乗が少し強引だったのかもしれません。
失格というのは加害馬・被害馬それぞれの馬主さんやファン、厩舎関係者、生産・育成牧場など多くの人を悲しませる、騎手としては最も避けたい事です。勝ちたいのは皆同じ、プロである以上は冷静さを無くさないようにしたいものです。

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