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2012年4月

2012年4月25日 (水)

先週の重賞レース回顧

先週はオークスのトライアルレース、フローラSがありました。
桜花賞組は間隔が短過ぎるため不出走、これといって目立つ馬は見当たらず、どの馬も一長一短という感じ。上位人気馬でさえ安定した成績とは言いがたく、難しい一戦でした。
しかしレースが終わってみれば1、2番人気馬のワンツー決着。ファンの皆様はさすがです。
見事1番人気に応えてオークスへの切符を手にした優勝馬ミッドサマーフェア
前走、君子蘭賞での強烈な末脚を使った差し切り勝ちが印象的ですが、今回は鞍上の蛯名騎手が流れを読んでのものか、先行集団の直後につけ、いつでも動ける位置取りでした。
それが正解でしたね。流れは前半1000m通過が62.1秒と開幕週の重賞レースとしては遅いペースで進んだために瞬発力勝負になったこのレースでは、ミッドサマーフェアの決め脚が勝っていました。この末脚はとても強い武器になります。
オークスでは桜花賞上位と対戦しますが、センスが良いこの馬が今回のような走りをすれば、強敵相手でもひけはとらないと思います。

2番人気で2着のアイスフォーリスはスタート後2番手につけて流れは向いていました。多分、騎乗していた松岡騎手も自信を持ってレースを進めていたでしょう。勝ち馬とは唯一、決め手の差が出てしまったように感じます。これで(1.4.0.2)と連対率は高いものの、惜しい2着が多くまだ1勝の同馬。オークスでも流れ次第で好走するとは思いますが、やはりもうワンパンチあれば最高です。

京都競馬場ではマイラーズCが行われ、3番人気シルポートが昨年の同レース以来1年ぶりの勝利、連覇を果たしました。この馬の持ち味であるいつもどおりの軽快な逃げで得意な形に持ち込むと、後は楽々と逃げ切り勝ち。
どの騎手も、この馬が逃げることはもちろんわかっています。ただ、そのまま逃げ切って勝つとは限らないので、シルポートの直後につけるなどという作戦はまず実行しませんね。
騎手は、相手を負かすというよりも「自分の馬が勝てるように」「自分の馬にマイナスになる恐れのある騎乗はしないように」「自分の馬にとってベストな競馬」を心がけてレースに臨んでいるからです。
逃げ切られてしまうかもという疑心・恐怖にとらわれて自分の馬の脚を無理に使えば、最後は共倒れになって結局は切れのある脚を持つ差し馬にやられてしまうことは多々あります。リスクの大きさを考えると、よほど勝算があるか又は流れを読み目標をシルポートに切り換えたのならば別ですが、わざわざ逃げ馬を潰しに動くことはしないのが普通です。
騎手の迷いや不安は手綱を通して馬に伝わるため決して良い結果は得られませんから、逃げ切られたら仕方ないと割り切り、自信を持って自分の競馬に徹することになります。
その結果、最も「自分の競馬」に持ち込みハマったのがシルポート。どうもGⅠになると目立たなくなってしまいがちですが、安田記念でも自分らしい競馬で見せてほしいと思います。

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2012年4月18日 (水)

皐月賞のレース回顧

先週は牡馬のクラシックGⅠ皐月賞が中山競馬場で行われました。
週末の降雨で馬場状態が悪くなり、当日は稍重の発表でした。稍重なら大したことがないように感じますが、開催から間もないならまだしも、2開催続いた中山競馬の最終日、それも芝の生育が良く回復が早い初夏~秋とは違い、気温が低く天候が不安定な春先。その開催16日目ともなれば自然と馬場の傷みが目立ち、さらに雨が降ればもうボコボコです。
当日の芝のレースに騎乗予定の騎手たちは、コースのどこを通ろうか、どうやってレースをしようかと頭を悩ませたことと思います。

まず一冠、今年の皐月賞を制したのは内田騎手騎乗ゴールドシップでした。
新馬勝ちからオープン、その後はGⅢレースを3戦し、今回の皐月賞制覇とここまで全てに連対(4.2.0.0)する素晴らしい成績。またその血統も魅力的です。父ステイゴールドと母父メジロマックイーン、いずれも現役競走馬だった頃には非常に高い人気を誇っており、当時ファンだった方は嬉しさと懐かしさで胸が一杯でしょう。
レースでは、内田騎手が最後方から進めることを選択。
じっくりと脚を溜めながら他馬の動きを確認して、3コーナーから一気にコースを内に取り、4コーナーを回った時点ではほぼ先頭に並びかける位置まで来ていました。
内田騎手は、ゴールドシップが道悪を苦にしない馬だとわかっていたのでしょうが、それでもこのGⅠの大舞台で一か八かの賭けに出るのは、なかなか出来ることではありません。
騎手としては、多少の距離ロスは承知の上で馬場外側の良いところを選び、走らせるのが普通です。もちろん外に回した分だけ無駄ができるのはとても嫌なもので、できれば内側を通る効率的な騎乗をしたいと考えていますが、やはり外を回すのには理由があります。
馬場の悪いところを走るというのは、馬にとってかなり大きな負担。想像以上に体力を奪われて、徐々に脚が上がらなくなってきます。ですから外に回すことになっても、馬の脚に少しでも負担がかからない道を選びます。1頭だけ内を通って勝つと「他の馬も内に入れれば勝てたのに」と思いがちですが、それは結果的に成功しただけであって、騎手にとってはリスクが大き過ぎる賭けなのです。
今回は内田騎手のコース取りの上手さや冷静な判断力、度胸の良さなどが勝因として挙げられ、その騎乗は高い評価を得ましたが、もしも進路を内に取ったことで思ったより脚が伸びずに外から差されていたら、敗因はおそらく騎手に100%あり、非難されても仕方の無い乗り方。馬の能力とトップジョッキーとして生きてきた自分の勘を信じているからこそ出来た作戦でしょう。
それにしても、外を通るとあんなにも距離が違うものかと驚きを隠せませんでした。
コースの選択ひとつで不利な状況になることをあらためて感じ、騎手の判断力はレースにおいてとても重要な要素だと思いました。

2番人気2着のワールドエース
道中は勝ったゴールドシップとほぼ同じ位置取り。ただ、鞍上の福永騎手は内田騎手とは対照的に、最初から馬場の良い外を選ぶと決めていた様子で、直線は大外に持ち出して追ってきました。あの脚いろは他馬との素質の差を感じさせるほど素晴らしく、力は十分に見せつけた形です。結果が全てとはいえ、力で負けているとは思いませんので、ダービーでのリベンジを期待します。

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2012年4月11日 (水)

桜花賞のレース回顧

今年もいよいよクラシックシーズン到来。
その第1弾、桜花賞が阪神競馬場で行われました。
珍しく満開の桜で迎えられなかった阪神競馬場を鮮やかに彩ったのは、岩田騎手鞍上の単勝2番人気ジェンティルドンナでした。
レースは好スタートを切りながらも中団まで控えて追走。前半は外からサウンドオブハートに馬体を合わせられて揉まれそうな雰囲気でしたが、相手を先に行かせ、自分たちの外側に馬がいない状況をつくると(たまたまそうなっただけにも見えましたが)、それからは上手くなだめつつ進んでいきました。そうして脚を溜めることができたため、最後の直線できれいに弾けたのではないでしょうか。
クラシックのような大レースに勝つには、無駄や無理の無いスムーズな追走と、その馬や騎手の持つ「勝負運」みたいなものが欠かせないように思います。普通あのポジションだと、1頭行かせてもさらに外から上がってくる馬がいるため、どうしても包まれてしまう状況になりやすいのですが、今回はそれがありませんでした。おかげで馬がリラックスして走れたのが良かった。良い脚を使うジェンティルドンナと、無理をさせずに自然体で騎乗した岩田騎手の息が合い、好結果を生み出したレースでした。
ジェンティルドンナの戦績を見ると、デビュー戦からの5戦全てが1600m戦。管理する石坂調教師が、いかに最初から桜花賞を意識してレースに臨んでいたかがわかります。

2歳の有力牝馬たちが狙うGⅠレースである阪神JFと桜花賞の距離が1600mというのも関係あるのか、スピード感のある脚を持つ馬の活躍がこの時期までは目立ちますが、桜花賞が終わると次は距離も舞台もガラリと変わるオークスへと話題が移ります。
そのオークスは800m伸びる2400m戦となりますが、この距離のトライアルレースは存在しないため、レース検討の段階で「過去のレース実績」というものは当てはまらないことになります。オークスに出走するどの馬も初めての体験ですから、血統や脚質、そして今回の桜花賞の成績&レース内容から判断するしかありません。
直線でよく伸びる脚を持ち、しかも長く使えるのが何よりの強みであるジェンティルドンナは東京競馬場にも対応できそう。オークスに出走したとしても好走すると僕は思います。

1番人気で6着に敗れた2歳女王ジョワドヴィーヴル
デビューから420キロを超したことが無い小柄な馬で、この桜花賞も416キロでした。名牝ブエナビスタの半妹であるこの馬の能力の高さは確かでしょうが、相当のスタミナを要求される府中の2400m戦では、少々割引いて考えることが必要かもしれません。
3着アイムユアーズも、そのピッチ走法からスピードが武器であるタイプの馬だと思われ、オークスは距離が長過ぎる気がします。
桜花賞組から注目したいのは、2着に好走したヴィルシーナ
走り方や雰囲気からもオークスの距離・舞台は問題ないと思われ、あとは騎手が上手く折り合いをつけて流れに乗れれば、府中の長い直線で良い脚を使ってくれそうですね。
ヴィルシーナの騎乗は今回が初めてだった鞍上の内田騎手は、すでに馬の特長や感触を掴んだでしょう。オークスではその手腕に期待します。

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2012年4月 5日 (木)

先週の重賞レース回顧

まずは阪神競馬場の産経大阪杯です。
目下4連勝中で波に乗るフェデラリストが、3頭のGⅠ馬を抑え堂々の1番人気。
レースはスローな流れでしたが、フェデラリストの折り合いは完璧で、3・4番手の理想的な位置取りで進みました。
最後の直線では昨秋の天皇賞を制したトーセンジョーダンを振り切り、勝ったと思った瞬間、伏兵ショウナンマイティの後方一気の追い込みで2着に敗れました。
敗因としては、稍重という馬場状態が予想以上に重かったことが挙げられます。連勝はストップしたものの馬の力は出せたので、次走につながるレースとして収穫はありました。
鞍上の横山典騎手の騎乗には何一つ問題がなく、前週に行われた高松宮記念でのダッシャーゴーゴーと同じく、これで負けたら仕方ないというレースぶりだと思います。彼の騎乗に対し、こういう(負けても納得する)感想をもつことが多いのですが、それはベテランというだけでなく、若い頃から多くの名馬に跨ってきたからでしょう。
騎手は「良い馬の背の感触」を経験することで大きく成長します。また大舞台ではプレッシャーに打ち勝つ強い精神力、勝負どころでの判断力やレースセンスなどを問われます。
そこで結果を出せない騎手は何かしら足りない、もしくは未熟な要素があるのだと思いますが、横山典騎手はしっかり結果を出してきました。さすが「名手」と思わせる上手い競馬をしますね。

優勝したショウナンマイティ。この馬は折り合いが難しいため、鞍上の浜中騎手は後方で宥めながら、さらに道中は周りにあまり馬がいない方が良いのか、他馬とのスペースをとって進んでいました。決してこの馬に合う流れではありませんでしたが、直線に向かうまでの「溜め」が利いたのでしょう。
こういうタイプはハマると、目を見張るような脚を使いとても強い勝ち方をします。反面、自分の得意な形にならなければ脆いところもあるため、その能力の高さはわかっていたとしても、馬券検討の際には扱いが難しいかもしれません。

中山で行われたダービー卿チャレンジトロフィーは石橋脩騎手騎乗ガルボが優勝しました。
先日の高松宮記念には向かわず、こちらに出走を決めたのは、前々走のGⅢ東京新聞杯勝利をはじめ、ここ数ヶ月の1600mレース好走で距離適性をよく考えてのことだと思います。
スタート直後は外からプレッシャーを受け、いつもより位置が後ろ寄りになったのが気になりましたが、鞍上は慌てずに3・4コーナーで上手に外側に出していきました。直線で見せたしぶとい伸びからは、この馬の実力が感じられました。これからはマイル戦線でのさらなる活躍が期待できそうですね。
石橋脩騎手も重賞を勝つことで自信がつき、レース勘や技術が磨かれて、さらに腕を上げることでしょう。本当に良い騎手に成長したと思いますが、そろそろGⅠレースを勝って、大きく飛躍することを期待しています。

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