« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月

2012年3月28日 (水)

高松宮記念のレース回顧

第42回高松宮記念が新装なった中京競馬場で行われました。
優勝馬は、単勝2番人気に支持されたカレンチャン。昨年秋のスプリンターズSに続いての短距離GⅠ制覇です。牝馬ながら安定した成績を誇り、重賞5勝目となりました。
レースでは好スタートを決めて2番手追走、ロスなくソツなくテンポ良く行けました。
カレンチャンの鞍上・池添騎手は前週、現在の日本競馬界最強馬オルフェーヴルに騎乗し、負けられないレースでアクシデントにより2着に敗れました。あれから1週間、池添騎手は完全に気持ちを切り換えたようで、自分の腕やレース勘、そして愛馬の力に自信を持って騎乗していました。その自信は、少し早いと思われる仕掛けに表れていました。
舞台が以前の中京競馬場であるなら、直線距離が短いので、4コーナーを回った時点で先頭に立つのは悪くない戦法だと思いますが、直線がおよそ100m長い上に坂もきつくなった現在の中京競馬場では、馬がバテるのを怖れる騎手は、あまり早仕掛けはしないものです。
それを池添騎手は、直線に入ると堂々と先頭に立ってそのまま押し切るのだから、自らの判断を信じる芯の強さがうかがえます。また彼の信頼に応えるカレンチャンも凄いですね。とても良いコンビだと思います。

僕が注目し応援していたのは、単勝3番人気サンカルロです。
レースの内容は申し分なく、吉田豊騎手は馬の力を100パーセント引き出す騎乗をしていました。最後の最後までよく伸びて、もしかしたらと期待しましたが2着に惜敗。
新しい中京競馬場の1200mコースはサンカルロには向いていると僕は考えていましたが、その通り走りやすそうに見えました。平坦な1200mでは、軽くて切れる脚をもつ馬がスピードで押し切って勝つことが多々あります。しかし同じ短距離馬でもサンカルロはそういうタイプではなく、直線が長くてパワーの要る坂など、馬に「タフさ」が求められるようなコースが良さそうです。本来この馬は1400mがベストだと僕は思うので、大レースに1400m戦が無いことが残念でたまりません。
カレンチャンは確かに強いけれど、サンカルロも全く力負けはしておらず、どちらが勝ってもおかしくないレースでした。サンカルロがほんのクビ差届かなかったのは運、それも馬ではなく、現在の「騎手の運の強さ」でしょうか。といっても数々の大レースを制してきた吉田豊騎手の運が悪いわけもなく、ただ、絶好調の昨シーズンに続いてノッている池添騎手の方に、現在は勢いがあるのだと感じました。

デビューから今回の高松宮記念までの9戦全てが1番人気のロードカナロア
重賞を2連勝し挑んだGⅠタイトルでしたが、結果は3着でした。メンバー中最も良いスタートを決めて、鞍上の福永騎手には理想的な流れになりましたが、結果的に、位置取りを少し下げすぎたのかもしれません。あれだけ素晴らしいスタートを切れたのだから、カレンチャンが居たポジションで競馬を進めることができたのではないでしょうか。
終始、内に包まれる形になり自由に動けるスペースが無く、馬は伸び伸びと走れていないように見えました。少し大事に乗りすぎたかもしれませんね。

他、今回のレースで目を引いた(良い競馬をした)のはダッシャーゴーゴー
7枠15番と外の枠でしたが、上手に流れに乗って見せ場十分。横山典騎手ならではの騎乗だと感心しました。これで負けたら関係者はもちろん、応援していたファンの皆様も仕方ないと思えるほど文句のないレースぶりでは。ダッシャーゴーゴーは重賞勝利経験がありますが、このコンビではまだ勝ち星はありません。ぜひとも横山典騎手が手綱をとり重賞制覇を果たすことを期待しています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月21日 (水)

先週の重賞レース回顧

第60回阪神大賞典には春の天皇賞に照準を合わせ、昨年の三冠馬オルフェーヴルがその姿を現しました。
単勝は何と1.1倍、何が何でも負けられないという雰囲気のレースでしたが、結果は2着。敗れたことはもちろん、そのレース内容に対する多くの悲鳴とどよめきが競馬場に広がっていました。8枠12番と大外枠のためか、スタート直後から前方に壁を作れずに折り合いを欠き、2周目の向正面では抑えきれなくなったのでしょう、先頭に立ってしまいました。そして3コーナーからは逸走気味に、外へ膨れてしまいました。
新馬戦や菊花賞でも、ゴールした後にこの癖が出て、鞍上の池添騎手は2度ほど落とされています。まぁオルフェーヴルの場合、やんちゃな気性だからこそ、レースではもの凄く強い競馬をするわけですが、悪い方に出てしまうと今回のようになります。
今まではレース中に見せなかった癖が、この大事なレースで出てしまったことが問題です。では、なぜ逸走してしまったのか。
おそらく、先頭に立ち前に馬がいなくなったことにより「目標を失ったから」もしくは「レースが終わったと思い気を抜いたから」でしょう。
あとは、有馬記念以来の久しぶりの競馬で、気持ちが高ぶっていたのかなと思います。
オルフェーヴルの今年最大の目標は、秋にフランス・ロンシャン競馬場で行われる凱旋門賞ですが、まだ時間はあるとはいえ、関係者にとっては、国内のレースで負けるわけにはいかないとの意気込みが感じられます。そうした関係者の士気の高さや、競馬場での観衆の期待などからもオルフェーヴルは何かを察し、力んでいたのかもしれません
昨年は、上手に壁を作ってレースが出来ていましたから、次走は問題ないと思います。
ただ、馬のテンションが上がりすぎると、同じようなことが起こらないとは限りませんが…。

それにしても、恐ろしく強い馬ですね。
僕は基本的に「負けたけれど最も強さを感じる競馬をした」という考えは、あまり好きではありません。圧倒的な実力をもつ馬が、展開が向かないとか様々な理由で敗れたにしても、また、勝った馬がたまたま全てが上手くいった(ハマった)から勝てたのだとしても、「そのレースにおいては」その馬が最も強い競馬をしたと思うからです。
しかし今回のオルフェーヴルは、普通なら走る気を失いレースにならない状態でありながら、再び脚を伸ばし2着に突っ込んできました。シンガリ負けでも当然の展開でした。
気性的には、まだまだ子供ですが、能力は間違いなく一流ですね。

中山競馬場では皐月賞トライアル、第61回スプリングSが行われました。
馬場状態は重、レース後は、どの騎手からも「ノメった」というコメント。
こういう力のいる馬場になると、こなせない馬はまるっきりダメで、力を発揮できません。ですから、2番人気で12着に敗れた2歳王者アルフレードも、全く見せ場が無いまま終わってしまったとはいえ、今回の馬場状態を考えると見捨てるのは早い気がします。
優勝したグランデッツァは、この悪い馬場を気にすることなく、スイスイと走っていたように見えました。手綱をとったデムーロ騎手は、ノメる馬場を考えてガッチリとハミをかけ、馬がしっかりと踏ん張って(力を入れて)走りやすいように追っていました。
ディープブリランテを差し切った脚いろは際立っていて、皐月賞でも期待できそうです。

1番人気2着のディープブリランテは、道中、抑えるのに騎手が苦労していたようです。
皐月賞では、200m長くなる距離、そして馬場状態が気になるところですが、良と予想した場合、馬にとっては当然今回よりも走りやすくなるわけですから、ディープブリランテはいっそう折り合いを欠いてしまう恐れがあります。大レースを勝つためには、もう少し気性的に成長してくれると良いですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月18日 (日)

大西直宏の初著書をプレゼント

3月19日(月)より大西直宏の初著書『ダービージョッキーだから解ける!GⅠ勝利の方程式』(KKベストセラ-ズ刊、競馬ベスト新書 定価・税込940円)が発売されます。

Onishi_book_3

◎書籍の内容
1997年、サニーブライアンに騎乗し、皐月賞を11番人気、ダービーを6番人気で制した個性派騎手・大西直宏。現役引退後は、日刊スポーツ連載のGⅠ展望コラム「ぼくの視点」でもおなじみ。「ぼくの視点」は2冠ジョッキーならではの視点から、その週行なわれるGⅠレースの注目点を分析し、好評連載中だ。

本書は大西元騎手にとって初の著書。GⅠで勝つ馬&穴馬の条件、騎手たちの知られざるテクニックやせめぎ合いを語るとともに、牡馬クラシック、牝馬3冠、古馬王道、マイル、スプリントの5つの路線に分類し、トライアルから連なる大きな流れの中で、最強のローテーションも分析。

 自身の体験談を交えたGⅠ分析は、日刊スポーツの連載コラムでおわかりの通り、興味深く、そしてわかりやすいもの。また、2009年のダービーでは「ロジユニヴァースの逆襲」、2011年オークスでは伏兵ピュアブリーゼを取り上げるなど、その分析力や目のつけどころも名騎手ならでは。もうひとつ、2011年秋華賞では、乗り方の難しいアヴェンチュラを御すために使った“技”を完全解説。

このGⅠの見方が変わる、そしてGⅠで買わなくてはいけない馬が見えてくる一冊を当ブログ読者の中から抽選で5名様にプレゼントします。ご応募はハガキに…

 ・住所
 ・氏名
 ・年齢

を明記し、以下の宛先までお送りください。なお、当選者発表は発送をもって代えさせていただきます。

▼宛先

〒170-8457
東京都豊島区南大塚2-29-7 KKベストセラーズ
ブログ大西直宏新書プレゼント係

3月26日の消印分まで有効。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月14日 (水)

先週の重賞レース回顧

先週は阪神競馬場で、桜花賞トライアルの第46回フィリーズレビューが行われました。
優勝したのはニコラ・ピンナ騎手騎乗、単勝1番人気アイムユアーズ。ピンナ騎手は初騎乗ながら、落ち着いたレースぶりで若い牝馬を上手く導いていました。
絶好のスタートを切ると、前を見る形で3~4番手追走、道中の手応えもしっかりしており、関係者は安心して見ていることができたでしょうね。追い出してからの反応も良く、手応え通りの伸び脚で、まさに完勝といえる内容。デビューから6戦して(3.2.1.0)と、高いレベルで安定しています。これまでは、重賞レースになるとそれほど上位人気にならない馬でしたが、今回の勝利で実力と人気を兼ね備えた期待の一頭となりそうです。

一方、アイムユアーズとあまり差の無い人気を得ながらも4着に敗れたイチオクノホシ
「大外枠だったのでずっと外を回るようなことにを避けて馬群に入れた」と鞍上の石橋脩騎手はコメント。外を嫌い、入れそうな隙間を見つけて他馬の後ろにつけた彼の判断はとても良いと思いますが、位置取りが少し後ろになってしまったのが残念でしたね。
この日の阪神競馬場の馬場は良の発表でしたが、雨が続いたために実際はかなり力が要る馬場になっており、得意不得意な馬がいると思われます。1ヵ月後の桜花賞は今回のようにパワー勝負なのか、それとも軽くて早いタイプが有利なのか。馬場状態が気になるところ。
また桜花賞は、フィリーズレビューと同じ阪神競馬場で行われるとはいえ外回りの1600m(フィリーズレビューは内回り1400m)でコースも距離も違ってくるので、今回の結果がそうそう直結するとは考えられません。このフィリーズレビューで得意のパターンに持ち込めずに力を出し切れなかった馬が好走する可能性もあります。
ただし、今回勝ったアイムユアーズは桜花賞でも軽視できません。
クセが無くてレースセンスも十分、騎手にとって乗りやすそうな感じの馬で、はっきり言って欠点らしきところが見当たらないので、GⅠ制覇に近い存在であるのは確かでしょう。

中山競馬場でも牝馬の重賞、第30回中山牝馬Sがあり、レディアルバローザが、後ろから行った昨年の同レースとはガラッとスタイルを変え、逃げ切り勝ちで昨年に続く連覇。騎手は昨年と同じ福永騎手ですが、このコンビもレースによって違う競馬をしていますね。このレースは調教師が「スタートがよければ前へ」と言ったこともあり、好スタートを切ると、迷わず先手を取って逃げる形に持ち込みました。
レディアルバローザは人気を背負うと凡走したり、目立たないときに好走して存在感を示す難しい馬ですが、基本的に器用だと思うので、どんなレースでもできるのでは。これからも、相手メンバーによって色々な競馬を見せてくれそうで楽しみです。

僕が以前よりずっと注目し、今回も期待していたホエールキャプチャ。このメンバー構成なら負けないと確信をもっていましたが、直線で伸びを欠いて5着に敗れてしまいました。
敗因は4ヶ月ぶりの休み明けで馬体重が増えていたこと、負担重量が55.5キロと他馬より重かったことなど、様々な要因が重なった結果なのでしょうが、僕が見て感じたのは、外枠(ホエールキャプチャは8枠15番)ゆえに馬で壁ができないために、前半で「気持ち良く行き過ぎた」のも影響があったのでは、ということ。確かに、休み明けの馬は気負っていて、普段より折り合いが難しくなる時がありますが、1.2コーナーからスーッと上がっていき2番手につけたところまで気持ち良く走り過ぎて、脚もその分だけ、余計に使ってしまったのかなと思いました。
毎週、こうしてメインの1~2レースについて書いていますが、勝ち馬または2.3着に好走し、穴をあけるような馬は、必ずと言ってよいほど内枠に入っています。
今回の、フィリーズレビューでのイチオクノホシ(8枠16番)、そして中山牝馬Sのホエールキャプチャのように、たとえ力のある人気馬とはいえ、外枠からの競馬というものは、いかに難しいものかがわかります。メンバー構成やペース、馬場状態など多くの条件を含めて想定外の出来事もあり、極めて難解な一戦だったと言えるでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 7日 (水)

先週の重賞レース回顧

3月に入り、チューリップ賞や弥生賞など春のクラシックに向けてトライアルレースが始まると、本格的な春競馬の訪れを感じます。
皐月賞トライアルと言われるレースは弥生賞・若葉S・スプリングSとありますが、その中でも弥生賞の勝ち馬が最も本番につながると僕は思います。やはり皐月賞と同じ中山競馬場、そして同じ2000mの距離での競馬を経験するのは、非常に強みだからです。
今年の弥生賞から、クラシックへの階段を駆け上がってゆくのはどの馬でしょうか。

ここ最近、春先特有の不安定な天候が続き、先週も中山競馬場の馬場は重の発表。
弥生賞では、瞬発力や切れ味で勝負する形を得意とするディープインパクト産駒が数頭おり高い人気を集めましたが、いずれも本来の力を出し切れずにレースを終えた感じです。
上位に入着した馬は好位で流れに乗り、コースロスの無い内々を上手く立ち回りました。ただ、内枠先行有利の展開のレースとなったことは確かで、上位馬の好走は、枠順に助けられた面もあります。

レースは逃げると予想していたメイショウカドマツが出遅れ、2枠2番のトリップに騎乗した田辺騎手は、好スタートを決めたにもかかわらず、メイショウカド マツが来るまで待機。インをずっと(メイショウカドマツが入ってこれるように)空けて騎乗していた田辺騎手の判断はとても良かったと思います。
メイショウカドマツ以外は先に行く馬が見当たらないこの弥生賞。
皐月賞という大レースを見据えての大事な一戦であり、逃げ馬が出遅れたからといって、騎手は勝手な判断で動いて、レースを自ら作るというわけにはいきません。自分は予想外の動きをしたくないわけですから、本来の(メイショウカドマツがレースを引っ張る)流れに戻したかったのでしょう。おかげでペースは超スローとなり、田辺騎手にとって狙い通りの流れになったのでは。このレースは、完全に田辺騎手が主導権を握りましたね。これまでの田辺騎手の位置取り、乗り方から、僕はレース中盤あたりですでに勝利を確信しました。
ところが直線で先頭に立つと、そこから案外と鋭い脚が使えず、勝ち馬にかわされ2着。
トリップは約2ヶ月ぶりの出走でしたが、マイナス8キロと絞ってきたことからも仕上がりは上々、なおかつ、あれだけ上手い騎乗をしながらも勝てなかったのは残念。まだ(パワーなのか切れ味なのか、それとも馬場なのか)何かが足りないのかもしれません。
とはいえ、今回はトライアルということで当然100%のデキになかったのは承知です。これから状態はさらに上向きになると思うので、皐月賞当日の馬体に注目しましょう。

今年の弥生賞、優勝は単勝9番人気コスモオオゾラ、鞍上は柴田大地騎手。
他馬が道悪で苦しんでいる中、そしてこのスローペースでも折り合いはピタリとつき、特に直線での伸び脚には目を見張るものがありました。
柴田大騎手の騎乗で良かったのはコース取りで、直線に差しかかったときに馬群の隙間を上手く突いて抜け出してきたところが素晴らしい。とても落ち着いて騎乗していましたね。
柴田大騎手はしばらく一桁勝利の年が続きましたが、それまでコツコツと築いてきた信頼関係や努力により結果を出し、昨年は20勝と大きく勝鞍を伸ばしました。ここに至るまでの道程は、彼にとって大きな励みと確固たる自信をもたらしたのではないでしょうか。
コスモオオゾラも、真面目に走るところや鞍上の言うことをよく聞いてくれそうな雰囲気があり、騎手にとっては乗りやすいタイプに見えます。目を引くほどの 華やかな血統とは言い難いために、皐月賞でも人気はそれほど上位にはならないと予想されますが、侮ったら痛い目に合うかもしれませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2012年3月 1日 (木)

先週の重賞レース回顧

早いものでもう3月。常套句ですが、春といえば別れと出会いの季節。
この時期は調教師、騎手の引退記事が見られ、それと同時に新規開業の調教師、新人ジョッキーのデビュー戦で紙面がにぎわいます。慣れ親しんだ名を見られなくなる寂しさと、これからの競馬界を担う若い人たちへの期待感など、様々な想いがうずまきます。
新たなステージへと進む元騎手、そして長年競馬を支えてくださった元調教師の皆様、お疲れ様でした。これからも皆様に幸多きことを願います。

さて競馬は、先週より2回中山へと舞台を移しました。
メインの中山記念、優勝は蛯名騎手騎乗のフェデラリスト
昨年秋に1000万条件を勝ち、今年の中山金杯で重賞初勝利を挙げ、これで重賞2連勝を含む4連勝と絶好調です。追い込み馬にとっては馬場状態をはじめとして、とても不利な展開になりましたが、この馬だけが追い出してからの反応が良く、一完歩ごとに確実に差を詰め、並ぶ間もなく抜き去りました。内容が非常に良く、強さを感じさせる一戦でした。
本格的に素質が開花し、馬が充実している現在、早くGⅠレースでの勇姿が見られることを願っています。

1.9倍と断然1番人気のトゥザグローリー、続く2番人気レッドデイヴィスが揃ってブービーとシンガリという惨敗、波乱の結果となりました。
レースは重賞常連のベテラン馬シルポートがいつもどおりの軽快な逃げを披露、2番手以下を大きく離し、向正面での差は12馬身、直線入り口に差しかかっても7馬身差ありました。
こういう大逃げを打ったとき、他の騎手は「そのうち(馬が)バテるだろう」と考えるので、大して気にしないし、戦法を変えることもしません。ただ今回は、3~4コーナーを通過したあたりでも脚いろは衰えず、ここで初めて2番手以下全ての騎手が少し焦りを感じたのでしょう、急いで仕掛けだし、シルポートを捕まえようと必至になっていました。
ではなぜ、このような展開になったのか。
それは2番手追走のフィフスペトルが、シルポートを追いかけずに楽に行かせてしまったのが大きな理由。とはいえ、それが悪いと言っているわけではありません。
この日の馬場状態とペースから考えると、ただでさえ力の要る重馬場なのに、さらにシルポートの速いペースについていったなら馬は消耗が激しく、深追いすれば自分の馬がバテてしまう。ならば脚を温存し、最後の粘りや伸びに賭けるのは当然だと思います。
これもまた競馬。見ている者にとっては面白い展開のレースでした。

阪神競馬場では阪急杯が行われました。
単勝1番人気は関東馬のサンカルロ、この馬の良さは終いの脚の切れ。その脚を武器に、昨年と(一昨年もですが)同じローテーションで高松宮記念を目指します。
定位置ともいえる中団やや後ろの位置取りでレースを進めましたが、阪神競馬場の芝1400mは内回りのため直線が短く、吉田騎手はそれを意識してか早めの進出を狙います。4コーナーを回るときには先頭馬が射程圏に入るところまで上がっていき、ここまではじつに理想的な騎乗でした。しかし直線に入っての脚いろは、確かに伸びてはいるものの、サンカルロの持ち味である『切れ』というよりは『バテないでジワジワと伸びてきた』感じです。馬体重プラス10キロが響いたのかもしれませんね。
次走の高松宮記念で身体が絞れていれば良いのですが、問題は体重よりも距離。どうもこの馬は、基本的に1200mは短いと思います。いかに調子を上げてくるか、陣営の腕に期待しましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »