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2012年2月

2012年2月22日 (水)

フェブラリーSのレース回顧

先週は東京競馬場で、2012年初のGⅠレース、フェブラリーSが行われ、出走メンバーの中で飛びぬけた実績と安定感をもつトランセンドが、単勝1.6倍の断トツ1番人気に支持されました。

スタート直後から、鞍上の藤田騎手が押して押してハナを主張する素振りを見せたもののエンジンが全くかからず、見ていて何だかモコモコした感じで、前に進んでいきません。パドックも返し馬も、雰囲気は悪くなかったと思います。
トランセンドは逃げ、又は2~3番手でレースを進められれば好結果を出す馬ですが、今回のように前へ行けない状況に陥ると、非常に脆い部分があります。
なぜ、これまでみたいにスムーズに前へ行けなかったのでしょうか。
僕が見る限り、内枠に入った馬が予想以上に速く行ってしまい、レースの流れに乗りきれないまま、全体の位置やペースが決まってしまったからでしょう。つまり、前半のうちに自分のペースに持ち込めなかったのが致命的です。
4~5番手追走でしたが手応えも怪しく、前に行った馬たちは、騎手が手綱を引っ張って折り合いをつけているのに対し、トランセンドはあの位置を確保するのにも苦労していた様子。
何となく、気持ちが乗っていないように見えました。
ドバイ出走を控えている現在、先を見据えて大事に仕上げたのかなと思います。そう考えると、ドバイでは馬の調子も気持ちもピークを迎え、良いレースを見せてくれるのではないでしょうか。

このフェブラリーSで、トランセンドを負かすとしたらと想定し、僕が挙げたのは3頭。
シルクフォーチュンワンダーアキュートダノンカモンで、いずれも2・3・4着と好走はしましたが、残念ながら勝つまでには至りませんでした。
優勝したのは伏兵の7番人気馬、岩田騎手騎乗のテスタマッタ
折り合いに難がある馬ですが、岩田騎手は発馬直後から手綱を抑えて、折り合いをつけることにかなり気を遣っていた乗り方でした。
このような騎乗の場合、折り合いに集中するあまり、前を行く馬との距離を忘れて、思った以上に先頭と離れていってしまいます。しかしテスタマッタは、それほど前と離れずに競馬を進められ、4コーナーを回って直線を向いたときには射程圏内に入れていました。
これが勝因ですね。折り合いがついて、流れ(意識しなくともついていけるペース)も向いて、そして前との距離も差しきれる程度にしか離れていない。
テスタマッタのように鋭い脚、決め手のある馬にとっては、パーフェクトな展開でした。
2着のシルクフォーチュンも同じような騎乗をしてじつに良い脚を使ったのですが、勝ち馬が一歩前におり、同じ脚色だったために、その分だけ届かなかった感じです。
そして期待していたダノンカモン。
位置取り良く、直線に向いてもなお手応えが良い。また鞍上の福永騎手が、追い出しを我慢して上手いタイミングで仕掛けた。これ以上無いほどの騎乗だと思いますが、ダノンカモンは最後の脚がどうにもジリジリしていて…要するに、スパッと切れるタイプではありませんね。GⅠレースでこの決め脚では、相手次第ですが、勝ちきるのは難しいでしょう。
決め手勝負の展開よりも「叩き合いの地力勝負」の方が合っているかも。
切れ味鋭い馬に出し抜かれるのではなく、お互いが追って叩いて渋太さを競う、そんなレースに持ち込めれば、この馬の粘り強さが活かされて面白いですね。

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2012年2月15日 (水)

先週の重賞のレース回顧

先週、京都競馬場では、古馬王道路線である春の天皇賞へと向かう馬が集結。 この京都記念は頭数こそ9頭立てと少ないものの、昨年のGⅠ戦線を盛り上げてくれた実力馬たちが出走し、見応えのあるレースとなりました。
優勝したのは5番人気、武豊騎手騎乗のトレイルブレイザーでした。
レースは平均ペースの3番手を追走、3・4コーナー中間から仕掛けていき、直線では早めの先頭でゴーサインを出すと、そのまま押し切ってゴール。
この馬の場合、後ろから来る馬が仕掛けてくるのを待ってから動き出しても、決め手の部分で少々物足りないところがあるので、今回の武騎手の騎乗は最高といえるものでした。
久しぶりに「名手・武豊ここにあり」と思わせるレース。魅せてくれました。
やっぱり武騎手は上手いなぁと、観ていた人の多くが感じていたのではないでしょうか。
武騎手はトレイルブレイザーには過去1度だけ、昨年のジャパンカップで騎乗したことがありますが、11番人気ながら4着と好走させていて、そのときもさす が武騎手だと感心した記憶があります。今回のゴール後の歓声からも、これまで20年以上も競馬界を支え続けてきた武騎手の存在の大きさや人気の高さがうか がえて、やはりスタージョッキー、トップジョッキーの名はまだまだ彼のものだということを思い知らされました。
他の有力馬に騎乗していた騎手は、目標を見誤ったのか、道中はのんびりと構えていたように感じましたが、彼らはトレイルブレイザーがこのような早仕掛けの競馬をするとは予想していなかったのでしょう。これもまたレースのアヤで、仕方の無いことです。
今回は、武豊騎手が自らの腕でつかんだ勝利だと思います。

東京では共同通信杯が行われ、クラシックを目指す3歳馬が参戦しました。
1番人気の
ディープブリランテは、今をときめくディープインパクト産駒で、注目を浴びましたが結果は2着。好スタートを切り、押し出されて逃げる形になり ましたが、鞍上の岩田騎手を見ていると少し迷いがある…まるで「自分以外に逃げる馬が来てくれないかな」との願望を持っているような騎乗でした。できれば 他馬に行かせて自分は2・3番手が理想との雰囲気を漂わせていましたが、ディープブリランテが前半ハミを噛んでしまい、折り合いに苦労した様子。
ペースも遅くなり、切れ味のある馬には都合の良い流れになりました。
その流れにハマったのが、優勝したゴールドシップ
逃げた馬(1番人気のディープブリランテ)を目標にした競馬で、ピタリとマークしながら進み、直線も「この馬さえ捕らえられれば勝てる」と確信して騎乗しました。
大怪我から復帰したばかりの内田騎手には、嬉しい重賞勝利でしたね。流れが向いたのと、馬の切れ味の良さが勝因でしょうが、内田騎手のディープブリランテ1頭を目標にした乗り方も素晴らしいものでした。
ディープブリランテの課題としては、この先、距離が伸びるクラシックレースに向けて、折り合いが上手くつけられるかどうかという点でしょう。
好位でレースを進められれば、脚がためられるので、今回のような事態にはならないはず。
何にせよ、能力・素質を考えると、この1戦ではまだ見限ることは出来ませんね。

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2012年2月 8日 (水)

東京新聞杯のレース回顧

先週の東京競馬、メインレースは東京新聞杯。
どこから手を出したらよいのか悩む、また逆に、どこからいっても面白そうではある混戦ムード漂うメンバーの中、1着でゴールを駆け抜けたのは単勝8番人気ガルボでした。
鞍上の石橋脩騎手は、抜群のスタートを切ると、同じ3枠のコスモセンサーを先に行かせ、その後ろにピタリとつけて終始マーク。じつは石橋脩騎手、デビュー戦から3歳時途中まで、コスモセンサーには数度の騎乗経験があり、GⅢのアーリントンCも勝利しています。
当然この馬の力はわかっているし、目下2連勝中で絶好調ということから、コスモセンサーを相手に選んだ乗り方でした。馬券を買う側が、自分が本命に選んだ馬の相手はどれだろうと悩むことがありますが、騎手もレースにあたり、展開や流れを予想し、自分が騎乗する馬の脚質や力などから、マークする(目標とする)相手馬を絞り込むことがあります。
今回の石橋脩騎手の騎乗は深追いすることなく、かといって離されることもないベストな位置で「決め打ち」をし、勝負師として100点満点の内容でした。
デビュー10年目を迎えた石橋騎手。
勝利ジョッキーインタビューで語る彼の姿に、思わず惚れ惚れしてしまいました。
僕が引退した2006年当時はまだまだ少年らしさが残っていましたが、今はとてもシャープでプロの騎手らしい良い顔つきになりましたね。さらなる活躍を期待します。

京都競馬場ではきさらぎ賞が行われ、クラシックを目指す3歳馬が出走してきました。
1番人気に支持されたのはディープインパクト産駒ワールドエース
スタート直後、小牧騎手がスッと手綱を抑えると、逆らうことなくアッサリと折り合いがついて、見るからに素直で乗りやすそうな馬だと感じました。
その後は後方4番手からレースを進め、4コーナーで外を回すと、ゴーサインを出してからは次元の違う走り。前を行く集団をあっという間に抜き去り、ゴール前では鞍上が手綱を抑えるほどの余裕すらありました。
この馬の良さを理解し落ち着いた騎乗をした小牧騎手は確かに上手かったと思いますが、やはりこの馬の能力自体が相当なものなのでしょうね。
鞍上がゴーサインを出してからの反応の良さといい、父譲りの軽やかで鮮やかな末脚といい、じつに大物感が漂うレースぶり。
今年のクラシック戦線を大いに盛り上げてくれそうです。

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2012年2月 1日 (水)

根岸Sのレース回顧

先週から始まった東京競馬開催、メインレースは第26回根岸ステークスでした。
このレースは2月19日にあるGⅠフェブラリーSの前哨戦。
優勝したのは単勝4番人気シルクフォーチュンでした。鞍上の藤岡康騎手とは相性が良く昨年のプロキオンSに続く重賞2勝目、手綱をとった5戦全てが3着以内の好成績です。
道中は最後方から進み、直線で大外に出すと、持ち味である末脚が炸裂。
14頭全てをごぼう抜きという、観ているものを魅了する鮮やかな競馬でしたね。
このような勝ち方は、前半ペースが速くなり、追い込み馬有利にはたらいたときに見られますが、今回のレースはさほど速くもない流れでした。それであの勝ち方が出来るのだから価値が高く、豪快な差し切りは次につながるものだと思います。

このレースのポイントとしては、ペースが速くなかったために馬群全体が詰まり、ダンゴ状態だったことが挙げられます。
逃げ馬と、最後方にいる馬との距離は、短ければ短いほど追い込み馬には都合が良いです。シルクフォーチュンのように決め手の鋭さを武器とする馬なら、レースの速さ(ペースの上下)よりも逃げ馬と自分との距離が重要。
ある程度の間隔であれば、上がり3ハロンを他馬よりも1秒近く早く走り抜くことで全頭を追い抜けるわけです。
今回のシルクフォーチュンはまさにこのパターンで、切れのある末脚を安定して使えるのが何よりの強みだと思います。馬の能力(武器である脚)が優れているので、追い込み馬であるにもかかわらず、展開に大きく左右されることのないとても安定した走りをします。
次走、フェブラリーSではダート王者トランセンドの逃げに、それほど離されずに上手く距離をとって追走できるかどうかが鍵となるでしょうね。
今のシルクフォーチュンであれば、良い勝負が見られると思います。

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