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2011年10月 5日 (水)

スプリンターズSのレース回顧

先週は秋のGⅠレース第一弾、スプリンターズSが行われました。
注目は何と言ってもシンガポールの英雄・ロケットマンの走りでしょう。これまでの戦績は21戦17勝、2着4回と、一度も連対を外すことのない凄いものです。パドックでその馬体を見たときには、久しぶりに衝撃と高揚を感じました。

僕は2004年、カルストンライトオに騎乗しスプリンターズSを優勝。そして、その年の12月に香港のシャティン競馬場で開催される、香港スプリントに出走しました。結果は地元香港、無敗の最強馬サイレントウィットネスが優勝。デビューから13連勝(最終的に17連勝、その後も日本でスプリンターズSを勝利)と強さを見せつけられる形になりましたが、その時は悔しい気持ちより、素直に納得できるほどの力を感じました。

ロケットマンは、このサイレントウィットネスを初めて見たときと同じインパクト。サイレントウィットネスは最盛期の当時は570キロ前後の大型馬体、ロケットマンは今回486キロと体重差はあるものの、パンとした素晴らしいトモの張り、日本馬に比べてひと回りは大きく感じさせる力強さと威圧感、いかにも瞬発力がありそうな丸みのある馬体は短距離馬として最高の体型で、惚れ惚れと見入ってしまうほどでした。カルストンライトオも胴がギュッと詰まった良い体型で、天性の素晴らしいスピードを持っていましたが、例えるなら弾丸のようなそれとは違い、まるで大砲です。
もちろん断トツの1番人気で単勝1.5倍。しかし結果は4着と、生涯で初めて連対を外してしまい、関係者は落胆したことでしょう。敗因は、これまでとはレースぶりが違っていた点ではないかと思います。過去のレースでの走りをいくつか観ましたが、いずれも直線で早めに抜け出し、そこから他馬を引き離す完勝・楽勝。今回のスプリンターズSは、位置取りは良かったものの4コーナーから直線に向くときに上手く外に出してあげられなかったところがポイントでした。
このロケットマンの勝利パターンを防いだのが、3着に好走したエーシンヴァーゴウの鞍上、福永騎手です。ロケットマンを外に出さないように、上手に内に封じ込め、進路を与えませんでした。天才・福永洋一の息子に生まれ、若い頃より大きな期待とプレッシャーを背負いながらも、スタージョッキーとして活躍している福永騎手。大舞台でも全く怯むことのない、肝の据わった騎乗ぶりはさすがだと思います。前走・前々走と騎乗した田辺騎手に乗ってもらいたかった、という意見もチラホラ耳に入りますが、今回の結果だけを見れば、福永騎手だからこその好走だったと思います。

そして、優勝したのは今年ダービーを勝って、ノリにノッてる池添騎手騎乗のカレンチャン
勝因ですが、やはりこれも位置取りでしょう。短距離戦では比較的ハイペースになるのが常識で、前に行き過ぎたら最後の脚がなくなってしまうし、かといって後方からでは間に合わない。良い位置で脚を温存できるポジションにいたことが大きく、この夏の間、レースを使いながらどんどん力をつけてきたようで、かなりの進歩が見られます。
勝負事は『運』とか『ツキ』とか、目に見えない何かが後押ししてくれることも大切です。池添騎手の今年の活躍は、まさに運を味方につけています。運も実力のうち、見合う力があるからこその結果でしょう。この勢いがどこまで続くのか、彼が一流の騎手として羽ばたく姿を、今後も楽しみに見ています。

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